駆け込み消費はお得だったのか?
2014年3月の「家計調査」が発表になりました。今回の家計調査では、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の統計が追加で発表されていて、眺めみるといろいろとおもしろい発見があります。 消費税率は来年2015年の10月にもう一度引上げられる可能性があるので、それに備えて、駆け込みがお得だったのかどうか見てみましょう。 駆け込み需要は、いろいろな品目でみられます。伸び率が大きいのはやはり冷蔵庫、掃除機、エアコンなどの家庭用耐久財でした。実は、これらの電化製品は1997年の消費税率引き上げ時と比べて、駆け込みが出遅れていた(参照:経済産業省「商業販売統計」)のですが、3月では大きく増えたようです。たとえば、エアコンの対前年比(実質)は401%にもなっています。 ところで、物価統計の「消費者物価指数」で、「家庭用耐久財」という項目を見ると、3月の伸び率(前年同月比)は5.3%と大きめでした。1月も6.4%、2月にも7.3%と上昇しています。一方で、2013年12月はわずか0.7%で、さらにそれ以前はマイナスでした。1月に入ってからの、駆け込み需要時に、平均価格が上昇したことがわかります。 12月以前と比べても、3%の消費税率の引き上げと比べても、価格上昇のほうが大きいので、(今のところ)電化製品については駆け込みが得ではなかったと考えられます。(平均的にという話です。また今後も価格上昇が続く場合は得だったことにもなり得ます。) 一方で、スーパーやドラッグストアなどで購入する日常品・食品はどうでしょうか。家計調査をみると、お米、醤油などの調味料、コーヒーやお茶、ビールなどアルコール飲料において、数十%程度(前年比)の大きな駆け込みの購入増加がみられます。 価格の変化については、最近、穀類が値下がりする一方で、魚介類や果物など生鮮食品が値上がりするという状況が続いてきたので、駆け込みだけの影響がわかりにくくなっています。(来月には、3月と4月の統計を比較することである程度わかるでしょう。)