2024年1-5月「税金(社会保険料含む)滞納」倒産 81件 前年同期の約3倍に急増、年間では過去最多ペース
【産業別】7産業で増加、最多は建設業の22件
産業別は、10産業のうち、農・林・漁・鉱業と小売業、金融・保険業を除く7産業で前年同期を上回った。最多は建設業の22件(前年同期比144.4%増)で、資材価格の高騰や職人の人件費上昇のほか、2017年以降は社会保険の強制加入を進めたことも影響している可能性がある。 次いで、サービス業他の19件(同216.6%増)、卸売業の12件(同300.0%増)の順。 時間外労働時間の上限規制の強化など2024年問題に直面する運輸業は9件(同350.0%増)と大幅に増加。価格転嫁が難しい環境の下で、税金滞納が追い打ちをかけた格好だ。
【負債額別】1億円以上が7割
負債額別は、最多が「1億円以上5億円未満」の43件(前年同期比377.7%増)と大幅に増加、半数(構成比53.0%)を占めた。次いで、「5億円以上10億円未満」が13件(前年同期比333.3%増)の順。 1億円以上は58件(同241.1%増)で、「税金滞納」倒産の7割(構成比71.6%)を占めた。 「税金滞納」倒産は、小・零細規模より中小企業レベルでの発生が中心で、税金滞納が負債額を押し上げる側面もあるようだ。
【資本金別】1千万円以上5千万円未満が半数以上
資本金別は、最多が「1千万円以上5千万円未満」の43件(前年同期比207.1%増)で、3年連続で前年同期を上回った。また、「税金滞納」倒産の半数(構成比53.0%)を占めた。 以下、「1百万円以上5百万円未満」が18件(前年同期比200.0%増)、「5百万円以上1千万円未満」が13件(同333.3%増)の順。1億円以上は、2年ぶりに発生がなかった(前年同期1件)。