「バルコニーはつくらないほうがいい」家づくりのプロが断言する理由とは? 家の寿命を縮める危険も…
「バルコニーはつくらないほうがいい」……家づくりのプロがそう話す理由に納得。一級建築士・内山里江さんの書籍『家は南向きじゃなくていい』は、限られたスペースを効率的に使った家づくりのヒントが盛りだくさん。今回は、なんとなくで作ると失敗する!? 家の寿命を縮める危険もあるという“バルコニー”のお話です。 「これはひどい…」愛妻の希望を叶えた1億円のマイホームに“失望”した理由
【バルコニーの話】家の寿命を縮める危険も
<日常的にお手入れができますか?> バルコニーやベランダは何のためにあるのか。そう問われたら、みなさんは何と答えるでしょうか。 おそらく、「布団を干すため」「洗濯物を干すため」と答える人が大半ではないでしょうか。実際、ひと昔前の家のバルコニーやベランダでは、晴れた日には布団や洗濯物がところ狭しと並んでいたものです。このように干した布団や洗濯物からは糸くずや埃が落ちます。人の出入りがあるため、服に付いていた埃や髪の毛なども落ちます。バルコニーやベランダの床に落ちたこれらのゴミは雨風で少しずつ移動し、排水溝にどんどん溜まっていきます。しかし、こまめにバルコニーやベランダの床や排水溝を掃除できる人はなかなかいません。 室内の掃除だけでも大変なのに、そこまで気を回すことはなかなか難しいですよね。ところが、そのように排水溝にゴミを溜め込んだまま放置しておくと、詰まって雨水やエアコンの室外機の排水などがきちんと流れなくなります。そうなると建物の壁の隙間に水が入り込み、躯体、つまり家本体がどんどん傷んでいきます。家の寿命が縮まるのです。 つまり、バルコニーやベランダは日常的に掃除という手入れが必要な場所であり、しかも、10年に1回は必ず業者によるメンテナンスを必要とします。そういった各種のコストをかけてまでバルコニーやベランダをつくりたいでしょうか? 私は、「布団や洗濯物を干すためだけであれば、絶対につくらないほうがいいです」といつも伝えています。では、布団や洗濯物はどうすればいいのか。簡単です。室内に干せばいいのです。