「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?
見えない部分にもコストが掛かったルビコン
ボンネットのサイドに入れられた象徴的なRUBICONの文字。そしてサイドウォールにまで荒々しいブロックが刻まれたオフロードタイヤ。 わかる人にだけ「本格派」であることをしっかりアピールするルビコンだが、その見た目はジープ最強の走りを反映させたものだ。 新型ルビコンの場合もサハラと同じく新しい外観、インフォテインメントを獲得している。つまり本格オフローダーがより「普通車」の領域に踏み込んできたわけだが、一方ルビコンらしいアップグレードも含まれている。 それがフルフロート式になったリアアクスルだ。これはドライブシャフトの構造的なもので、その変更を目視できない。とはいえバスやトラックなど荷重の大きな車輛では常識とされるシステムであり、ラングラーの場合は牽引能力の向上というメリットがある。 敢えて目立たない部分にコストを掛けてきたあたりに「普通車っぽくなった」などと言われては沽券に関わる、と言いたげなルビコンのプライドが窺えるのである。 今回の試乗では副変速機のレバーで2H(2駆高速ギア)と4H(4駆高速ギア)で一般道を走らせた。そこで再確認したのは2Hの軽快で曲がりたがる感じと4Hで高速走行した際のスタビリティの高さだった。これはルビコンのみならずサハラにも共通なのだが、面白いほどフィーリングが異なるのだ。便利なだけでなく本格的にもなったルビコンはまさに敵なしの1台といえるだろう。
試乗車のスペック
■ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 価格:889万円(税込 オプションなし) 全長×全幅×全高:4870×1930×1855mm 燃料消費率:9.2km/L(WLTCモード) 駆動方式:4WD 車両重量:2110kg パワートレイン:直列4気筒1995cc+ターボ 使用燃料:ガソリン 最高出力:272ps/5250rpm 最大トルク:40.8kg-m/3000rpm ギアボックス:8速オートマティック タイヤサイズ:LT255/75R17(フロント)LT255/75R17(リア) ■ジープ・ラングラー・アンリミテッド・サハラ 価格:839万円(税込 オプションなし) 全長×全幅×全高:4870×1895×1845mm 燃料消費率:9.8km/L(WLTCモード) 駆動方式:4WD 車両重量:2000kg パワートレイン:直列4気筒1995cc+ターボ 使用燃料:ガソリン 最高出力:272ps/5250rpm 最大トルク:40.8kg-m/3000rpm ギアボックス:8速オートマティック タイヤサイズ:255/70R18(フロント)255/70R18(リア)
吉田拓生(執筆) 神村聖(撮影) AUTOCAR JAPAN(編集)