徳之島にF15戦闘機 沖永良部島PAC3訓練は中止 キーン・ソード25
自衛隊と米軍による共同統合演習「キーン・ソード25」は31日、鹿児島県天城町の徳之島空港で航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機による連続離着陸(タッチ・アンド・ゴー)訓練などが行われた。同空港では昨年11月13、14の両日にも同訓練を実施。空港には約100人の住民らが訪れ、訓練を見守った。 訓練は空自基地が使用できない事態を想定し、戦闘機を民間空港へ一時的に退避させ機動分散運用を図ることを目的に実施。F15は午後3時15分ごろに飛来。雨天の中、わずか2分ほどの間にごう音を上げながら計4機が立て続けに飛び去った。 母親と空港を訪れた加藤佑之介君(5)、麓大樹君(同)は「雷のようにすごい音だった」「あっという間だった。もっとゆっくり見たかった」などと口々に話した。 午後4時ごろには着陸した民間機と入れ替わりでT4が滑走路に向かうという民間空港での訓練ならではの光景も見られた。 訓練に参加した空自幹部(50代)は「普段われわれが利用していない民間空港の活用が今回の訓練の趣旨。補給、整備、天候の変化への対応も含めて有意義な訓練ができた」と総括し、「災害対応や急患搬送などの事態に備えるためにも今後も徳之島空港で訓練する機会をいただけたらありがたい」と話した。 キーン・ソード25は1日まで。統合幕僚監部によると、沖永良部島で予定していた空自の地対空誘導弾「PAC3」などを用いた高射部隊の展開訓練は、悪天候のため定期フェリーが同島の港に入港できず、車両や器材が未着となり中止された。陸自奄美駐屯地(奄美市名瀬)での対艦戦闘訓練のため27日に同駐屯地に到着した米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」は、31日時点で撤収日時の調整中となっている。