「裏方好む」ワイルズ氏、女性初の首席補佐官に-動じない人物との評
(ブルームバーグ): 2024年米大統領選で勝利を収めたトランプ陣営を取り仕切ったのは、スージー・ワイルズ氏だった。「裏方に徹するのが好きだ」と語る同氏は来年1月、女性として初めて大統領首席補佐官に就く。
トランプ次期政権の要職の座を巡るレースが始まる中、ワイルズ氏が最初に重要なポストに抜てきされたことは、同氏が果たしてきた役割への敬意に映る。16年と20年の選挙戦では不安定だったトランプ陣営に安定と秩序、財務規律をもたらした。
トランプ陣営の幹部クリス・ラシビタ氏は「素晴らしいマネジャーであり、謙虚さと細部への配慮、そして揺るぎない忠誠心を備えた偉大なリーダーだ。スージー・ワイルズ以上の人物はいない」と賛辞を惜しまない。
ワイルズ氏は今後、政権移行を監督し、トランプ氏による閣僚選出を手伝い、次期政権発足後100日間の戦略を練ることになるとみられる。
トランプ氏の他の顧問や盟友よりもイデオロギーが目立たないワイルズ氏は、さまざまな政策論議で中立的な立場を維持する公算が大きい。トランプ陣営の他の重鎮や献金者からだけでなく、トランプ氏の家族からの信頼も厚い。
「動じない」
2011年からトランプ陣営で世論調査担当を務めているジョン・マクローリン氏は「ワイルズ氏は動じない。非常に落ち着いていて集中力があり、やるべきことを黙々とやり遂げる」と話す。
「ワイルズ氏はトランプ氏と独特の関係を築いており、トランプ氏は同氏を信頼している。ワイルズ氏はトランプ氏が自身の最大の利益になることに集中できるようにしている」という。
ワイルズ氏(67)は米プロフットボールNFLの著名アナウンサー、パット・サマーオール氏の娘。トランプ氏はその血筋を「優れた遺伝子」と称賛している。
ワイルズ氏はレーガン元大統領の選挙活動に携わった1980年から政界入りした。その家系と経歴により、トランプ氏は相談相手として同氏を信頼しており、自身の思想が行き過ぎそうな際には同氏からの警告に耳を傾けるとみられる。