「エシカル就活」いまどきの学生に広がるワケ 安定よりも、価値観が合う会社を
満足度が高い就職ができた学生の特徴は?
しかし、せっかく価値観の合う企業に就職しても、社会課題の解決とは直接関係のない部署に配属されることもあります。日本企業の採用方法には、入社後に何を担当するかわからない総合職採用と、分野や職種が決まっているジョブ型採用などがありますが、現在のところは総合職採用が主流です。 「最近は優秀な学生がスタートアップを選ぶ傾向があるので、大企業も危機感を持っているようです。そこで、総合職採用と並行して、マーケティング、企画、技術系などでジョブ型採用を始める会社が増えています」(勝見CEO) 勝見CEO自身は、早くから環境問題や農業に興味を持っていました。ドイツの大学に留学して持続可能なビジネスについて学び、コスタリカの農家やアメリカのコンサルティング会社でインターンシップを経験しました。就活時には、社会課題を解決する仕事を希望し、会社の規模や給料より自分の価値観と合う企業を選ぼうとしましたが、それができる就活サイトは見つかりませんでした。 そこで大学在学中の21年に、社会課題に取り組む企業と学生をつなぐサイト「エシカル就活」を自ら立ち上げました。その後、「BaseMe」へと名称変更し、社会課題に限らず、デザイン、ものづくりなど、学生が大事にしているキーワードや価値観から就職先とつながることができるサービスを目指しています。 今まで500人以上の学生に会ってきた勝見CEOに、満足度の高い就職ができた学生に共通する特徴を聞きました。 「実践的なインターンシップを経験し、いろいろな企業を見て、いろいろな人の話を聞いている学生は入社後のミスマッチが起こりにくいです。固定観念にとらわれず、なぜその企業が社会から求められ、存在しているのかをフラットに見ることができるからです。理念に共感して入社しても、職場の環境が合わないこともあります。そのとき、自分が環境を良くしていこうと前向きに考えられる人、素直で行動力のある人が求められていると思います」
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