長崎の赤潮ほぼ終息 被害額15億円 ブリなど養殖魚53万尾へい死
長崎県全域で6月中旬から発生した有害赤潮プランクトン「シャットネラ」が、県内の多くの地域で終息している。6~7月にブリやヒラマサ、シマアジ、マサバなど約53万尾の県産養殖魚がへい死し、被害金額が約15億円に上った今回の赤潮。7月下旬ごろから終息に向かい始め、8月26日現在では、海中に含まれるシャットネラの細胞数について、赤潮発生前の通常時の頻度で監視・モニタリングをする地域が増えてきた。
長崎県総合水産試験場は、橘湾(脇岬港)と西彼沿岸地区が7月30日、佐世保湾と大村湾地区が8月1日に終息したと発表。南九十九島や平戸(木ヶ津)、北九十九島、伊万里湾などの地区では8月上旬に終息したとしている。橘湾の雲仙市や長崎市などでは終息の発表はされていないが、8月に入ってから養魚が大量にへい死したなどといった被害報告は上がっていないようだ。
県は今回の赤潮で死んだ魚種の内訳については調査中としている。「各地区からの情報を収集し、魚種ごとのへい死尾数を取りまとめて報告する予定だが、公表までには数カ月かかる」との見方を示した。県内では海水温は依然として高く、赤潮が発生しやすい状況にあるとして、県は漁業者に引き続き警戒を呼び掛けている。