シリア、暫定政府樹立方針を伝達 反対勢力、政権側と協議
【カイロ共同】シリアのアサド政権を打倒した反対勢力を主導する過激派「シリア解放機構(HTS)」は9日、ジャウラニ指導者がジャラリ首相らと会談し、権力移譲を協議したと発表した。ロイター通信などはHTSを中心とする勢力が暫定政府を樹立する方針だと伝えた。円滑に権力移譲が進み、政権崩壊後の混乱を早期に収拾できるかどうかが焦点だ。 暫定政府の権限など詳細は不明。中東メディアによると、内戦下で反対勢力が支配した北西部の地元統治機構トップ、ムハンマド・バシル氏の首相就任が有力視されている。ただ反対勢力は各組織の利害や思惑がそれぞれ異なり、離合集散を繰り返してきた。暫定政府樹立を巡り主導権争いが起きる可能性もある。 ロシアに亡命したアサド前大統領は平和的な手段での権力移譲を指示したとされる。ジャラリ氏は政権移譲に協力する考えを示している。 シリアでは2011年以降の内戦による深刻な人道危機や多数の避難民発生といった課題が山積している。