随所に輝く風間スタイル。南葛SCが天皇杯出場へ一歩前進!
「本当はみんなを出したいくらいの気持ち」
[東京カップ2次戦 準決勝]南葛SC 1(4PK1)1 SHIBUYA CITY FC/3月17日/清瀬内山運動公園サッカー場 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 南葛SCは3月17日、天皇杯出場に繋がる東京カップ2次戦の準決勝で、SHIBUYA CITY FCと対戦。PK戦の末、南葛が勝利を収め決勝に進出。またその先の、JFLクラブとの社会人決定戦への出場も決めた。 この試合、まず注目したのは南葛の交代策だった。32分に最初の交代カードを切り、ハーフタイムでも2人を交代。その点について風間監督は次のように語る。 「今はまだチームを作っている段階。全員が伸びていっている状況で、本当はみんなを出したいくらいの気持ち。この選手はピッチでどんなことができるのかというのを試しているところで、選手たちもそこは理解をしている。何かが良くないから交代ということではなく、今誰が一番良いかというのを見ているところ」 32分に途中出場した佐々木達也が45+1分に先制ゴールをマーク。期待に応えてみせた。 後半のスタートからは、元日本代表の今野泰幸とキャプテンの玉城峻吾が登場。中盤の支配力をさらに上げていき、テンポの良いパス交換と距離感の良さで相手をはがしてゴールに迫る。 思わず見入ってしまうサッカーで「ボールはともだち」という南葛ベンチ横に掲げられた横断幕が、より一層際立って感じられた。 試合は後半アディショナルタイムに、中盤で相手のプレスに引っ掛かり、ショートカウンターを受ける。ペナルティエリア内で相手を倒してしまいPKを献上した。 GK外山佳大はPKの前に「お互いがヒーローになれるチャンスだね」と、SHIBUYAのキッカー、9番の政森宗治に声をかけたという。それもあってリラックスした状態で臨めたPKだったが、逆を突かれて失点。そのままタイムアップとなり、PK戦で決着をつけることに。 南葛は昨年12月の市原カップ決勝でもPK戦を経験。外山は「今回は、何とか一本でも触りたいという気持ちがあった」と振り返る。先攻の南葛は3人目まで全員が成功。1人が失敗した後攻のSHIBUYAの3人目は、終了間際のPKキッカーを務めた政森。 「相手(SHIBUYAのキッカー)は技巧派の印象。目線などで駆け引きもされていて、読むと逆を突かれるイメージがあった。最後まで我慢して、落ち着いて自分の信じた方向に飛ぼうという気持ちだった」 そう語る外山の飛んだ方向が当たった。政森のPKを見事にセーブ。続く4人目が成功し、南葛の決勝進出が決まった。 「今年はゴールキーパーからつないでゴールに向かっていくサッカーで、そこから得点につなげて試合に勝つということをやろうとしている。自分も楽しみながら、見ている人も楽しいサッカーをやっていきたい。リーグ開幕も迫っているので、しっかり準備して1試合1試合を戦いたい」と、外山は決意を示す。 風間監督は「選手たちはまだまだうまくない。それはみんな分かっているだろうし、まだ自分たちは何かができているチームではない。でも成長スピードはすごいものがあるので、そこをすごく楽しみにしている」と今後に向けての期待を口にした。 南葛の関東リーグ1部での戦いは4月6日に開幕する。関東リーグで躍動するだろう風間スタイルは、一見の価値ありだ。 取材・文●平龍生(サッカーダイジェスト編集部)
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