【阪神】下克上ワンスモア…10年前の激闘CSを見た2人が回顧「いけるぞという感じが大事」
「下克上」再現のカギは-。レギュラーシーズン2位の阪神は明日12日からのCSファーストステージでDeNAを本拠地甲子園に迎え撃つ。 その先に待つのは王者巨人。前回、下位から日本シリーズ進出を果たしたのは14年のこと。当時、新人ながら試合に同行していた岩崎優投手(33)、梅野隆太郎捕手(33)の目に10年前のチームはどう映っていたのか。【取材・構成=中野椋、柏原誠】 ◇ ◇ ◇ 記憶は10年たっても鮮明だ。当時23歳だった岩崎はCSもチームに同行していた。「ファーストステージは福留さんが本塁打を打って、メッセンジャーが抑えて…。2戦目は能見さんが投げて。甲子園は投手が頑張って、東京ドームはよく打って」とよどみなく回想した。 広島との初戦は福留孝介のソロで1-0。2戦目は0-0ドローで突破を決めた。2試合とも先発が無失点で抑え、それぞれ呉昇桓と福原が締めた。今は自分が抑えの座に座る。「みんな投げたいんじゃないですか。そう思っていると思います」と同じように投手陣一丸の熱戦を描いた。 岩崎も梅野も初戦が大事だと、口をそろえた。岩崎は「当たり前ですけどね。『いけるぞ!』という感じが出ることがすごく大事。みんな分かっている。シーズン通りなら大丈夫」と自信を示した。14年は呉昇桓が全6試合に投げてCSのMVPに輝いた。“偉業”を目の当たりにしたが「1試合1試合しっかり。勝つことだけにこだわって」と自然体は崩さない。 入団1年目だった梅野はベンチで控えていた。いきなり92試合に出場したが終盤からは藤井彰人、鶴岡一成の両ベテランに出番を譲っていた。「自分はファイナルの印象が強いです。もちろん、そこに行くまでに甲子園で勢いがついて」。東京ドームで打線が息を吹き返した。4点、5点、4点、8点と重ねて巨人に4連勝した。 「すごい勢いでした。負ける感じがしなかった。イケイケで。(今回も)そういう空気でできたらベスト。やっぱり、追われる方がイヤだったりする。追う立場は恐れるものはないというか」。ただし、気持ちは冷静だ。「相手がいることなので。最少失点で抑えていくとゲームの流れができていく」と守備からリズムを作る形は忘れていない。 巨人に次ぐ2位の構図は14年と同じ。まずはDeNAとのCSファーストステージ初戦に全力集中。勢いを全員で共有できれば、下克上の再現率は高まるはずだ。