兵庫県立ピッコロ劇団が肥田知浩「宇宙に缶詰」をサリngROCKの演出で上演
「兵庫県立ピッコロ劇団第80回公演 尼崎市第8回『近松賞』受賞作品『宇宙に缶詰』」が9月14日から18日まで兵庫・兵庫県立尼崎青少年創造劇場 ピッコロシアター 大ホールで上演される。 【画像】左から肥田知浩、サリngROCK、谷口遼、孫高宏、木下鮎美。(他7件) 本作は、尼崎市第8回「近松賞」に輝いた肥田知浩による作品を、突劇金魚のサリngROCKの演出で立ち上げるもの。サリngROCKは今回初めて兵庫県立ピッコロ劇団で演出を手がける。 NASAは、優秀な人材の脳をコピーし、マイクロチップに焼き付けて太陽系外惑星の調査に送り出すことにした。選ばれた弟の脳のコピーが、缶詰型の探査機に搭載され、太陽系から遠く離れた惑星に到着する。任務終了後も、マイクロチップのデータは消えきらずに惑星にとどまっていた。弟の脳のコピーは、幼少期を共に過ごした兄と、かつての恋人カヤコとの日々を思い返し続けていて……。 肥田は「私がこの世界から消えてしまったあとでも、私が生きた時間は、何度も何度も、この宇宙で無限に再生され続けるはずだ。ならばそんな宇宙の姿を、私なりのやり方で、戯曲として表現してみようではないか! そんなことを考えながら書いた戯曲です」と創作の経緯を語り、サリngROCKは「熱く、深く、こだわった言葉たち、設定に、私は、心が直接叩かれる感覚になりました。平易で分かりやすい物語ではないです。でもだからこそ、創作に愛や挑戦や宇宙を感じます。大好きなピッコロ劇団さんの俳優さんたちと、この宇宙のような脚本で、大冒険する夏にしたいです」と意気込みを述べた。本作では兄役を孫高宏、弟役を谷口遼、カヤコ役を木下鮎美が演じる。 ■ 肥田知浩コメント 過去の時間は消えてしまった、過ぎ去った時間は二度と戻らない、というのは、しかし本当にそうなのか? 流れて行った時間はどこにも消えてなどいないのではないか? あの時間はどこかに、あるいはここに、今でもずっと流れ続けている。私が過去に過ごした時間を思い出すとき、その時間が私の目の前にありありと浮かんで来るのは、あの時間が消えておらず、宇宙に刻みつけられ、今もこの宇宙に流れているからに違いない。私がこの世界から消えてしまったあとでも、私が生きた時間は、何度も何度も、この宇宙で無限に再生され続けるはずだ。ならばそんな宇宙の姿を、私なりのやり方で、戯曲として表現してみようではないか! そんなことを考えながら書いた戯曲です。この作品を目撃したあとでは、時間観、宇宙観が変容してしまう、新しい時間観が開かれる、そんな舞台ができたらいいなあ、と思っています。ご期待ください! ■ サリngROCKコメント はじめまして。今回、演出を担当させていただくサリ ngROCK(さりんぐろっく)と申します。 10 年前、ピッコロ劇団さんプロデュースの公演に俳優として参加させていただき、そこでピッコロ劇団さんの素晴らしい俳優さんたちと出会い、感銘を受け、それ以降、ピッコロ劇団さんの公演を幾度も観劇してきました。そんな私が今回、演出として、憧れだった俳優さんたちと一緒に作品を作らせていただけることになるとは、嬉し さと畏れ多さで震えております。 そして今回の脚本は、尼崎市の由緒ある戯曲賞「近松賞」を受賞した作品です。私はこの作品が、商業的な目的に書かれたのではなく、作品のために、自身の創作のために書かれたものだと感じています。熱く、深く、こだわった言葉たち、設定に、私は、心が直接叩かれる感覚になりました。平易で分かりやすい物語ではないです。でもだからこそ、創作に愛や挑戦や宇宙を感じます。 大好きなピッコロ劇団さんの俳優さんたちと、この宇宙のような脚本で、大冒険する夏にしたいです。 ■ 兵庫県立ピッコロ劇団第80回公演 尼崎市第8回「近松賞」受賞作品「宇宙に缶詰」 2024年9月14日(土)~2024年9月18日(水) 兵庫県 兵庫県立尼崎青少年創造劇場 ピッコロシアター 大ホール □ スタッフ 作:肥田知浩 演出:サリngROCK □ 出演 兄:孫高宏 弟:谷口遼 カヤコ:木下鮎美 叔父:今仲ひろし 月野:樫村千晶 水野:木之下由香 火野:森万紀 木野:鈴木あぐり 愛野:吉江麻樹 金田:原竹志 島:三坂賢二郎 甲斐:吉村祐樹 山形:濱崎大介 歌手:肥田知浩 石かつぎ:森好文 舞台監督:岡田力 舞台監督助手:有川理沙 配達員:岡島大祐