【三田友梨佳さん(37)】「フジテレビ退社の理由は結婚や出産だけではありません」|VERY
新人時代は「誰にも相談できなかった」
──バラエティからスポーツ、報道まで幅広く担当し、器用なイメージのある三田さんですが、実は苦手な分野はあるのでしょうか? 私は人に頼ることがものすごく苦手で、想定外のことやトラブルが起きても自分で解決したいと思ってしまいがちです。とはいえテレビの仕事は一人では成り立たず、むしろチームで作り上げるものなので、局に入って最初の大きな挫折はそこだったかな、と思います。 アナウンサーとして最初に担当した番組の一つが、夕方のニュースの現場リポーターでした。自分が必死でやれば必ず結果につながるはず! と、事件取材に協力してくださる方を探したり、事故現場に残された痕を辿ったりすることも。朝から晩まで一生懸命泥臭く取材していたのですが、オンエアで使われるのはほんの数秒程度ということも。毎度のように「報われない」と落ち込むのですが、性格的に誰にも相談できませんでした。「みなさんも忙しいのに、相談したらきっと迷惑」と思い込んでいたんです。でも、どうにも空回りな日々が続いたので、取材から戻ったら、社内でVTRの編集作業を見学させてもらうようにしました。内心「迷惑じゃないかな……」と感じながらも、編集室に通ううちに、どんな取材が必要なのか、長い収録シーンをどう編集するのかといった番組の構成がわかってきました。そのうち、先輩方が声をかけてくださって、少しずつ番組スタッフのみなさんともコミュニケーションが取れるようになり、困り事を相談したり、ときには弱音を吐けるようになりました。「迷惑かも」と遠慮して一歩引いてしまったり、一人で仕事を抱え込んだりしているとできない仕事があるということを学んだ新人時代だったように思います。
目指すのは折れない芯のある、しなやかな人
──報道番組のキャスターを経て、結婚や妊娠、出産と目まぐるしい30代を過ごしてきた三田さんですが、今後目指したい理想像はありますか? たおやかな人でありたいと思っています。しなやかさがあるのに折れない芯がすーっと通っているような女性が理想です。結婚や妊娠・出産などいろいろなライフステージの変化がありますが、「これはもうできない」とあきらめるのではなく、変化に柔軟に対応して、前向きに生きられたらと思います。私にとって身近な、憧れの女性を一人挙げるとしたら、ジャーナリスト、キャスターとして活躍する安藤優子さんです。社会人になってから母校の大学院に通って博士号を取るなど、常に学び続ける姿勢を尊敬しています。また、多忙な日々のなかでも体のトレーニングを続けていて、キュッと引き締まった足首で、ヒールを履きこなす姿にも憧れます。私も安藤さんのように常に学び続ける姿勢を忘れず、挑戦を続ける人を目指したいと思っています。
PROFILE
■三田友梨佳(みた・ゆりか)さん フリーアナウンサー。1987年生まれ。青山学院大学卒業後の2011年にフジテレビに入社し、アナウンサーとして数々の番組に出演。2023年に退職し、現在はフリーアナとして活躍中。一児の母。 ベージュシャツ37,400円 オフホワイトツィードスカート132,000円(マディソンブルー)パンプス130,900円(セルジオ ロッシ)ピアス770.000円(ブチェラッティ) 取材・文/亀井ゆりこ 撮影/秋山博紀 ヘアメーク/土橋大輔 スタイリスト/杉山朱美