「自民王国」群馬に衝撃 現職完敗、政治不信が背景
4日投開票の前橋市長選は、自民、公明両党推薦の現職が約1万4千票差で野党系新人に完敗した。現職陣営は、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る政治不信が背景にあったと指摘。4月末予定の衆院補欠選挙や次期衆院選が控える中、保守地盤が強く「自民王国」と呼ばれる群馬県の県庁所在地で起きた事態に、衝撃が走った。 【写真】前橋市長に野党系小川氏 女性初、自公推薦現職破る
「皆さんにおわびする。全て私の非力さゆえだ」。4日夜、現職山本龍氏(64)は市内の選挙事務所に集まった約250人の支援者らを前に深々と頭を下げた。 自民関係者は結果を踏まえ「今後の国政選挙への影響は必至だ。アリの一穴にならないよう気を引き締めたい」と語る。 山本氏は3期12年の実績を訴えて組織戦を展開し、新人小川晶氏(41)をかわす戦略で臨んだものの、苦戦を強いられた。選対関係者は裏金事件による逆風を認め「思うように支持が広がらなかった」と打ち明ける。 さらに追い打ちをかけたのが、2020年市長選での保守分裂のしこりだ。自民筋は「一度敵対すれば簡単に一枚岩になれない」と強調。山本氏の敗因に関し、保守層の一部が小川氏に回ったと分析した。