<戦隊大失格>戦隊パロディーではない ロジックはヤンキーマンガ? さとうけいいち監督インタビュー
「戦隊大失格」の色彩は独特にも見える。また、アクションも大きな見どころになる。
「柔らかい色を意識しています。日曜の夕方に放送することは最初から聞いていました。子供も見る時間なので、暗くはしない。戦隊?となって見る子供もいるでしょうし、視聴者の幅の広さを意識しました。それと、カートゥーンの表現も入れるようにして、リアルなアクションと戦闘員の動きのギャップをつけています。完全なるカートゥーンではなくて、ハイブリッドなので、そこは新しいかもしれません。リアルな動きもあって、攻撃を受け飛ばされた後の転がっていく姿など泥臭いところも描いています。転がる絵は難しいところもあるのですが、ドラゴンキーパーたちがスタジアムで一生懸命にアクションをしているところを見せようとしました」
レッドキーパーの“顔”も印象的だ。マスクをかぶっているため、口しか見えないが、口の動き、バイザーから少し見える目から、不気味さを感じるところもある。
「通常、日本のアニメだと、口パクで3枚くらいしか使いません。私が撮る他作品もそうなのですが、5枚使います。表情を極力豊かにしたい。キャラクターがただせりふをしゃべっているだけじゃない、と印象付けようとしています。特に顔がアップになった時、カメラがわざわざそこを抜いているわけですし、生々しい方がいい」
王道のヒーローを描いてきたさとう監督が、アンチヒーローをどう表現するのか? こだわり抜いた映像で驚かせてくれそうだ。
最後に、さとう監督にとっての「正義とは?」と質問をぶつけてみた。
「原作をお借りして作っているので私は一概に、これが正義とは言えないのですが……。個人的な意見を言うと、ウソをつかないことが正義ですかね。でも、ちょっぴりウソつくよね(笑い)。正義のためのウソもありますし。ただ、ズルく生きたくないですね」