日銀・黒田総裁会見3月16日(全文2)下押し圧力が出れば、追加の金融措置も
終息すれば需要や供給が回復に向かう
もう1つは、日本自身のコロナウイルスの感染の終息がいつになるのかということに懸かっているわけでして、今、政府は最大の努力をして感染の拡大を防ぐとともに、感染者の医療にも最大の努力をしておられると思いますけども、ただ、いつ、どんな形で終息するのかはまだ不確実だというところだと思いますけど、それが終息すれば、終息に向かえば需要とか供給面でも回復に向かっていくというふうには思っております。 それから物価、賃金などにつきましては、賃金はこれまでのところ、まだ最終的な集計ができていないようですけども、一応、7年続きのベアっていうのは基本的には続いているようですし、それからベアをしない企業でも、その他、ボーナスとかその他の手当で対応するということで、賃金総額はプラスで伸びている、伸びるという見込みのようであります。 それから、物価のほうはちょっと、一番大きいのは消費が今、低迷してるということもありますが、その先を考えると、この原油価格が大幅に下がってるということが今後、物価に下押し圧力でくる可能性はあると思っております。しかしマイナスになるっていうことはないんだと思いますけども。 ただ、さっき申し上げたように、ここのコロナウイルス感染の収束があって消費が戻ってきて、物価が再び上昇に向かっていくという傾向はあると思うんですけども、そこに今のような原油価格の大幅な下落があると、これは足元の物価とか、あるいはインフレ予想に影響を与える可能性もありますので、その辺はよく注意して見ていく必要があるというふうに思ってます。はい、どうぞ。
リスクプレミアムが高い状況が終われば元に戻すのか
ブルームバーグニュース:ブルームバーグニュースの藤岡です。2問あるんですが、ETFの買い入れについて、当面、積極的に12兆円を上限として買っていくと。ただし書きのところに「原則的な買い入れ方針としては」って書いてありますけど、要するにコロナの今、リスクプレミアムが高い状況であれば12兆円を上限に買っていけると思うが、それが終わると元の、今までのようなペースに戻っていくという理解でよろしいんでしょうか。 黒田:そういうことですけども、ただ、当面っていってもどれくらいなのか私どもも分かってるわけじゃないので、まさに当面ですね。必要がある限り12兆円ペースで買っていくということですね。 ブルームバーグニュース:2問目なんですが、総裁、これまでも副作用については注意深く注視していくっていうことを再三、言及されてきてらっしゃいますが、ETFを12兆円にしてもし仮に、これはどのくらい続くか分からないですけれども、この間、国会でも1万9500円とか、副作用を懸念する声がありました。この増やしたことについて伴う副作用についてどういうふうにお考えになっているのか。 黒田:ETFの買い入れ自体はリスクプレミアムに働き掛けるっていうことですので、別に特定の株価水準を前提にしてやっているわけではないんですが、あくまでもリスクプレミアムの圧縮に向けて、必要な限り12兆円ペースで当面、買っていくということであって、それが日銀の財務にどういう影響を与えるかっていうことは、日銀の財務については全体として見ていかないといけないので、特定のこれだけ見てうんぬんしてもあまり意味がないのではないかというふうに思ってます。はい、どうぞ。