NHK太田雅英アナ 大相撲中継で北の富士さん追悼 言葉詰まらせながら「ここでは語りつくせないほど…」
◇大相撲九州場所12日目(2024年11月21日 福岡国際センター) 12日目を迎えた大相撲九州場所を中継したNHKが、20日に82歳で死去したことが分かった元横綱で相撲解説者の北の富士勝昭さん(本名・竹沢勝昭=たけざわ・かつあき)を追悼した。 訃報を受け、実況の太田雅英アナウンサーは「私たち大相撲中継のスタッフ一同、ここでは語りつくせないほどの思い出とご指導をいただきました。みなさまに愛された北の富士さんをこういった形でお伝えすることになりまして残念です。関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます」と時折言葉を詰まらせながら、涙声で追悼した。 またこの日解説を務めた阿武松親方も「本当にびっくりしましたね」と一言。続けて「辞めたばかりの親方の私にもお会いすると気さくに話しかけて下さって。偉大な先輩に気さくに声をかけていただくことは本当にうれしいことで…本当に残念です」と北の富士さんとの思い出を振り返り、感謝の言葉をおくった。 NHKは午後1時からBSでの大相撲中継の冒頭でも、同中継でこれまで的確な解説と歯に衣着せぬ発信で視聴者の支持を集めていた北の富士さんの訃報を受けて追悼。経歴を紹介した上で、実況の大坂敏久アナウンサーが「日本相撲協会の退職して以降は、この中継で現役力士の取組について解説していただきました」と説明。 解説の甲山親方(元幕内・大碇)は「やはり北の富士さんといえば歯に衣着せぬ解説でね。力士に対して愛情のある解説をしてくださっていましたので、相撲ファンの皆さんもね、お茶の間のファンの皆さんにも人気があったと思いますし、非常に残念ですね」としのんだ。 さらにネット上でも「もう一度大相撲中継で拝見したかったな」「北の富士さんの解説またいつか聞けるの楽しみにしてたのに悲しい」「わたしは太田アナと北の富士さんのコンビが好きでした」「北の富士さんのこと伝える太田アナの涙声でこちらももらい泣き」など悲しみの声が広まっている。 北の富士さんは昨年3月の春場所から体調不良で解説を休養していたが、今年7月の名古屋場所初日のNHK中継にVTRで出演し力士たちにエールを送っていた。 北の富士さんは1974年7月に引退した後、年寄「井筒」を襲名。井筒部屋を起こしたが、77年の九重親方(元横綱・千代の山)の死去に伴い九重部屋を合併。師匠として千代の富士、北勝海の2横綱を育てた。 98年初場所後には理事選挙に絡む騒動もあって相撲協会を退職。同年の春場所からNHKの大相撲中継の解説者を務めた。忖度のない力士たちへの叱咤激励、的確な解説で人気に。2000年からNHK専属解説者になった元小結舞の海秀平氏とのやり取りも度々話題になっていた。