新橋で高級すしを安価に提供 クラファンと仲卸業併営でコスト削減
長引いた新型コロナウイルス禍で、多くの優秀な人材が飲食業界から流出したといわれている。一方で、その逆の現象も起きている。大手ブライダル企業で優秀な営業担当者だった人物がコロナ禍を機に退職を決意。それからわずか100日後に、学生の頃から夢だった飲食店をオープンさせたのだ。 【関連画像】高級店にありがちな堅苦しさや敷居の高さはなく、肩肘張らずにカジュアルにすしが食べられる空間だ(写真提供=一石三鳥) その後、コロナ禍にもかかわらず、会員制の焼肉店やすし屋、焼鳥店、割烹(かっぽう)の4業態、合計10店舗を展開するまでに成長。2024年3月には新橋に新店「鮨処 一石三鳥」をオープンした。落ち着いた大人の空間で、一流の高級すしを圧倒的なコストパフォーマンスで提供する同店。複数の飲食店を成功させた斬新かつ大胆なビジネス戦略を探った。 場所は数多くの飲食店が集まる新橋。JR新橋駅烏森口を出たらすぐに左折し、新橋西口通りを直進して4つ目の交差点を左に曲がる。 しばらくして右手に見えてくる「厳選焼鳥 一石三鳥」を通り過ぎて歩いていくと角に店がある。駅から3分程度だ。 呼び込みスタッフがいる居酒屋とは一線を画した趣が違う建物のたたずまいは、隠れ家のような大人の雰囲気がある。店内は、和風の落ち着いた空間で、L字型カウンターのみ。14人が着席できる。 予約は入れ替え制で、(1)午後4時30分~午後6時30分まで、(2)午後6時45分~午後8時45分まで、(3)午後9時~午後11時までの3つの時間帯から選べる。 料理は3種類のコースがある。スタンダードな「一石三鳥コース」(1万3000円、以下、価格は全て税込み)は、すし13貫、料理10品の全23品と、満足間違いなしのボリュームだ。豊洲市場の初マグロも競り落とした仲卸業者「やま幸(ゆき)」から仕入れる本マグロの中トロもメニューに入っている。 本マグロの大トロやクエ、ノドグロ、ウニなどの高級ネタを堪能したい人は、24年6月から始まるすし14貫、料理10品、全24品の「VIPコース」(1万8000円)をチェックしておいてほしい。 そして一番の注目は、リーズナブルな価格の「おまかせコース」(8800円)。仕入れによってメニューは変動するが、すし10貫、料理8品、全18品と充実している。ただし注文できるのは、午後4時30分からの時間帯のみのため注意が必要だ。 この記事では「おまかせコース」にスポットを当てよう。