松重豊演じる井之頭五郎の食欲そして五郎節が止まらない「孤独のグルメ Season10」...真矢みき、山崎まさよしら店主と興じる演技も味わいあり
主演のみならず、監督、脚本も手掛ける「劇映画 孤独のグルメ」が2025年1月に公開を控えている松重豊。現在は放送12年目に突入したシリーズの特別編「それぞれの孤独のグルメ」もオンエア中で、松重自身が構想、発案したオムニバスグルメドラマに仕上がっている。グルメドラマの火付け役で、現在も第一線を走り続けている本作が10年目に入った年に放映されたのが「孤独のグルメSeason10」(2022年)だ。 【写真を見る】五郎(松重豊)が食べた後の感想も「五郎節」が利いて味わい深い 前作に続き、コロナ禍で外食を制限していた人たちが多かった中、井之頭五郎が仕事先で行った場所でカンを頼りに美味しい店を発掘し、幸せに頬を緩ませる姿を楽しみにしていた人も多かったはずだ。松重自身も外食が激減し、番組のロケが何よりの楽しみだったとコメントしている。庶民を支える大衆食堂や、出張先で出会った地元のグルメ、食で味わう海外旅行などバリエーションも豊富、多彩なゲストが登場する。 ■真矢みき、片桐はいり、山崎まさよし、相田翔子など各話ゲストにも注目 五郎と未知の食との出会いはもちろんSeason10に登場するゲストもサプライズに満ちている。例えば#2で五郎が出向くのはプラネタリウムがある港区白金台にあるバー。そこでカーテンやじゅうたんのイメージのこだわりを歩き回って熱く説明するマスターがシンガーソングライターの山崎まさよしだ。神奈川県桜木町が舞台の#3では、海を見ている五郎の横で謎の若い美女(星野真里)が意味深なことを語り掛けたかと思えば、珍しく即決で入ったキッチンカフェで常連客から"姉さん"と呼ばれ、愛されている店主が真矢みきだった。#6では久々の出張に冒頭から晴々とした顔の五郎が向かった先は岐阜県下呂市にある中学校で、幼なじみの校長先生を松下由樹が演じている。クリスマス直前の最終話には前田美波里がイタリア食堂のママとして登場。石田ひかり、甲本雅裕、渡邉美穂(元日向坂46)らも本作を彩るキャストだ。 ■食堂でエネルギッシュに食べ、異国料理に旅気分満喫の五郎 老若男女が集う大衆食堂では若者に負けない五郎の食べっぷりに驚がく。#1の大看板が圧倒的な神奈川県相模原市の食堂では牛肉スタミナ炒めとネギ玉を頼んで「このぶっきらぼうな盛り付けが男心に火をつける」と追加で煮カツを注文。#5の千葉県柏市の食堂ではネギレバ炒と鶏皮餃子のガッツリ系に加えて麺を頼み、麺が見えないほどの青ネギに顔をほころばせる。そして#2の白金で見つけたインドネシア料理の店では国籍不明の店主(片桐はいり)の強力推しでルンダン(牛肉のスパイス煮)を頼み、初めての美味しさに「その方の名前、しかと胸に刻んだぞ」となぜか時代劇調に。#4の練馬区大泉学園では散々歩きまわり、予約で賑わうビストロを発見。サザエとキノコのプロヴァンス風やバジル風味のスープに「ここは埼玉県南フランス町地中海一丁目」と心の中でつぶやく。 そして#8の出張で訪れた富山県富山市では地元ならではの食を使った絶品料理の数々が五郎を饒舌にさせ、意外な展開となる。軸はブレず、シーズンごとに松重が新しい顔を見せてくれるのも長寿の秘訣ではないだろうか。 文=山本弘子
HOMINIS