米労組とライバル会社「訴訟の準備は整っている」 日鉄はバイデン氏らを提訴 今後の展開は
日本製鉄とUSスチールから提訴された全米鉄鋼労組の会長とアメリカの大手鉄鋼会社のCEOは強く反発しています。CEOは「訴訟の準備は整っている」と争う姿勢を示しています。 【映像】米労組会長 ANNの取材に対してのコメント 日本製鉄によるUSスチールの買収をめぐり、違法な妨害活動を行ったとして提訴された全米鉄鋼労組のマッコール会長はANNの取材に対し「根拠のない主張には断固として反論していく」とコメントし対抗する姿勢を示しました。 一方、同じく提訴された鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのゴンカルベスCEOは「USスチールと日鉄が自ら招いた災難の責任を他人になすり付けようとする恥知らずな試みだ」と批判したうえで「我々は訴訟を起こす準備が整っており、法廷で事実を明らかにすることを楽しみにしている」と、争う姿勢をあきらかにしました。 異例の訴訟にまで発展したこの問題は、今後、どうなるのでしょうか? 会見で日本製鉄の橋本会長が明らかにした訴訟は2つです。ひとつは、買収阻止を命じる大統領令を無効にし、審査をやり直すことです。被告はバイデン大統領や審査当局のイエレン財務長官らです。もうひとつは、買収を阻止して市場の独占を狙うアメリカでのライバル企業の「クリフス社」と、これに共謀した「全米鉄鋼労働組合」に対して損害賠償を請求するものです。 ただ、裁判を進めるうえでの大きな壁があります。30日以内に買収放棄の手続きを終えるよう求める大統領令です。アメリカ企業の買収に詳しい弁護士によると、「期間延長の申請が大前提だが、それはかなり困難だ」ということです。30日経った時点で大統領令違反となり、買収が認められないだけでなく、アメリカでの企業活動が制限されるおそれもあるといいます。 日本製鉄に残されたのは、いかに期間延長を認めさせ、速やかに勝訴に持ち込むかです。日本の一企業がアメリカの大統領を訴えるという前代未聞の事態に産業界はかたずをのんでいます。(ANNニュース)
ABEMA TIMES編集部