アーチェリー五輪6大会連続出場の古川高晴が10月末で引退 「国際大会で成績を出せなくなった」今後は指導者に
2012年ロンドン五輪で銀メダルを獲得するなど、アーチェリー男子日本代表で五輪6大会連続出場の古川高晴(40)=近大職員=が21日、第66回全日本ターゲットアーチェリー選手権(25~27日)を最後に現役引退すると発表し、大阪府東大阪市の同大学で会見した。今後は同大学洋弓部のコーチとして活動する。 会見では「決断は昨年夏ごろ。国際大会でいい成績を出せなくなり、私が日本代表の座にいるよりも若い選手に譲り、たくさんの経験をして強くなってもらいたいと思ったのと、指導者として第二の人生をスタートするのにちょうどいいと思ったから。洋弓部の山田監督、金(清泰)コーチと話し合って決めた」と説明した。 これまでで印象に残った五輪については「東京五輪が一番。無観客だったが、たくさんの方に応援をいただいて銀メダルを取れた」と振り返り「僕の成績を超える選手を育てたい」と話した。 五輪はアテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロ、東京、パリの6大会連続出場。ロンドン大会は個人で銀、21年東京大会は男子個人、男子団体ともに銅メダルを獲得した。全日本ターゲットアーチェリー選手権男子を5度制覇し、今年のW杯(アンタルヤ)は混合団体で金メダル。日本アーチェリー界をリードし続けた。近大スポーツ振興センター職員で体育会洋弓部コーチを務めている。 28年ロス五輪も出場できれば7大会連続となったが「未練はないことはないが、いろんな面で後輩に道を譲るということ。いつか指導者になりたいと思っていた。信頼を得るために勉強しないといけないことはたくさんある」と話し、同部の山田秀明監督の下で指導者としての人生を歩むことにしたという。 同監督は「昨年の世界選手権で結果を出せず、彼が引っ張らないといけない立場なのに若手に引っ張ってもらって五輪代表枠を取る形になった。世界で勝てなければ五輪でも勝てない。それならば新しく若い選手を作っていく方に回ってもいいんじゃないかと彼に話して、分かってくれた」と説明。指導者としての期待も示し「何年か先には監督もやってもらいたい。韓国などでコーチの勉強もさせないといけない。彼の成績なら全日本(指導者)からも声がかかるかもしれないが、それは大学と話し合いたい」とした。