治験は継続中でもワクチンが承認される訳とは? - 新型コロナワクチンの安全性評価について専門家が解説
未知に対する恐怖心は人間として当然の反応
さまざまな誤情報や、不安をあおる情報をしばしば見かけて、不安になってしまうこともあるかもしれません。今回の新型コロナワクチンは極めて有効性が高い一方で「新しい予防接種」ですので、皆さんにとって未知なことも多いかもしれません。 未知に対する恐怖がなければ人間は繁栄してこなかったので、不安に思う気持ちは当然の反応です。 今回のように治験が終わっていないと聞いて不安という方は、有効性・安全性が示された上で世界中でこのワクチンが使用されていることや、治験で証明された高い有効性や優れた安全性が実際の世界でも示されているということを知っていただきたいと思います。 未知なるものに向き合う際は、科学的な正しい情報を冷静にご理解いただくことが大切です。 <参考文献> [1]Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine | NEJM https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2034577 [2]Safety of COVID-19 Vaccines | CDC https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/safety-of-vaccines.html [3]感染予防ワクチンの臨床試験ガイドライン - 000208196.pdf (pmda.go.jp) https://www.pmda.go.jp/files/000208196.pdf 記事監修:こびナビ 新型コロナワクチンに関する正確な情報を届けるプロジェクト 解説者:黒川友哉(くろかわともや) こびナビ事務局長 耳鼻咽喉科専門医、薬事規制 千葉大学医学部卒業後、国立病院機構 千葉医療センター、千葉大学医学部附属病院、東京都立駒込病院を経て、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 新薬審査第5部 審査専門員。その後、千葉大学大学院 医学薬学府 博士課程を経て、現在 千葉大学医学部附属病院 臨床試験部 助教及びPMDA 定期専門委員