“20世紀音楽”の発展に貢献した指揮者、クーセヴィツキー。その偉業とは【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
ストラヴィンスキー『詩篇交響曲』 “20世紀音楽を変えた男”からのプレゼント
今日6月4日は、指揮者セルゲイ・クーセヴィツキー(1874~1951)の命日です。 その偉大さは、同時代の作曲家たちに次々と作品を委嘱して世に送り出したことです。パリ時代に行ったコンサートシリーズ「コンセール・クーセヴィツキー」からは、ラヴェル編曲によるムソルグスキー『展覧会の絵』や、プロコフィエフの『ヴァイオリン協奏曲第1番』などが誕生。 1924年にアメリカのボストン交響楽団音楽監督に就任してからも、同時代の作曲家たちへの作品委嘱を続け、ラヴェルの『ピアノ協奏曲ト長調』やストラヴィンスキーの『詩篇交響曲』などの名作を生み出します。 さらには「クーセヴィツキー財団」を設立し、バルトークの『管弦楽のための協奏曲』や、ブリテンの『ピーター・グライムズ』、メシアンの『トゥーランガリラ交響曲』などの名曲を世に送り出した事実はまさに偉業。クーセヴィツキーによって、“20世紀音楽”は大きな発展を遂げたのです。 というわけで、今日はクーセヴィツキーを偲びつつ、ストラヴィンスキーの『詩篇交響曲』をお楽しみあれ。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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