鷹キャンプ地は「テーマパークをイメージ」 家族が楽しめるように…宮崎市の取り組み
宮崎市の強みは気候、食事、整った練習環境
新型コロナウイルスが5類感染症に移行後、初めて行われた今年の春季キャンプ。宮崎市ではソフトバンク、オリックス、巨人の3球団が実施し、全国から多くのファンが訪れた。同一市内で3球団がキャンプを行うのは宮崎市だけ。選ばれる理由はどこにあるのだろうか。宮崎市観光協会でソフトバンクを6年間担当している岡崎弘輔さんに聞いた。 【写真】ポッコリお腹からの大変身! 木田2軍監督は、新庄監督と並んでもすらっと 宮崎市はもともと観光地として有名で、特に青島は1960年代から70年代にかけてハネムーンの聖地として名を馳せた。しかし、有名観光地でも2月から3月は閑散期となることが多いのが実情だ。そこで、1959年からキャンプを行っていた巨人に加え、施設整備に投資したことで、ダイエー(現ソフトバンク)のキャンプ誘致に成功。2015年からはオリックスも実施している。人気の要因について、岡崎さんはこう語る。 「宮崎市は温暖な気候で、日照時間も長いんです。プロスポーツ選手は、特に『食』がすごく大事だと思っています。宮崎市の食べ物が好きだと言ってくださる方が多いので、そこは強みかなと思っています」 宮崎市は1年を通して温暖な気候で、年間快晴日数は全国でも上位。山の幸から海の幸までそろう“食材の宝庫”だ。練習施設が充実していることも大きい。多くの球団が1軍と2軍キャンプを別の場所で実施するが、ソフトバンクは、リハビリ組や一部選手を除くほとんどの選手が同じ場所で行う。多くの選手が一堂に会し、練習できる施設を、市が保有・管理しているという環境的素地も強みだろう。 ソフトバンクが春季キャンプを行う「生目の杜運動公園」には、メインスタジアムやブルペン、サブグラウンドの他に大きなドーム型の屋内練習場が存在する。「監督がA組、B組間を歩いて見に行ける環境というのはなかなかないと思います」と岡崎さんは胸を張る。「元々、生目の杜運動公園には運動公園自体はあったのですが、宮崎市政70周年事業の時(1994年)に、整備していこうとなりました。1999年に着工して、2002年にアイビースタジアムが完成しているんです」と岡崎さんは話す。 生目の杜運動公園全体が完成してから、約1か月後には秋季キャンプを開始するというタイトスケジュールだったため、キャンプ当初は球場やブルペンなど、練習で主に使用する設備以外は、整備が終わっていない箇所もあったという。今ではキッズエリアなども用意されており、子ども連れで見学に訪れるファンも多く見られた。