保険証不正使用容疑で逮捕の革労協活動家の女 24年前の内ゲバ殺傷事件の被害者だった
居住実態がない自治体が発行した国民健康保険証を使用した詐欺の疑いで福岡県警に6日逮捕された過激派、革労協主流派活動家の後藤あざみ容疑者(69)は、24年前に神奈川県真鶴町で起きた凄惨な内ゲバ殺傷事件で瀕死の重傷を負った被害者だった。その後、潜伏生活を続けていた。 数々のテロ・ゲリラを繰り返してきた革労協は、平成11年に主流派と反主流派に分裂し、激しく対立。12年2月8日、福岡市の反主流派の拠点が主流派に襲われ、大学生が殺害された。犯行グループは鉄道で本州方面に逃走したとみられる。 翌9日午後0時20分ごろ、神奈川県真鶴町のJR東海道線真鶴駅のホームで、後藤容疑者ら主流派の男女2人が尾行してきた反主流派の男3人組に出刃包丁でめった刺しにされ、伊東発東京行きの上り電車に転がり込んだ。駅員の判断で病院が近い3駅先の小田原駅まで電車を動かし、2人は救急搬送されたが、男性は死亡、後藤容疑者は一命をとりとめた。3人組は逃走した。内ゲバ事件で出刃包丁が使われたのは初めてだった。 後藤容疑者は2か月後に退院し、護身用のバタフライナイフを所持していた凶器準備集合などの疑いで神奈川県警に逮捕されたが、釈放後に所在不明に。別の事件で指名手配されたものの時効になっていた。 今回の逮捕容疑は令和5年7~8月、居住実態のない福岡県久留米市を保険者とする本人名義の健康保険証を東京都内の医療機関で不正に使用して、自己負担金以外の医療費計約9千円の支払いを免れたとしている。 福岡県警など警察当局は、20年以上にわたる後藤容疑者の潜伏の経緯や革労協両派の実態の解明を急ぐとみられる。