市立船橋、PK戦の末に苦杯を喫し8回目のファイナル進出を逃す
第102回全国高校サッカー選手権の準決勝が1月6日に東京・国立競技場で行われ、3年ぶりに選手権の舞台に戻ってきた千葉の名門・市立船橋(千葉)は、青森山田(青森)に1-1からのPK戦の末に苦杯を喫し、8度目となるファイナルの切符をつかめなかった。 【フォトギャラリー】市立船橋vs青森山田、近江vs堀越試合風景 立ち上がりから青森山田のフィジカルの強さと鋭い出足の一歩に遅れを取り、前半の途中まで青色のユニホームは精彩を欠いた。11分には左CKからヘディングシュートを許して失点。今大会5試合目で初めて追い掛ける立場となった。 しかし前半20分過ぎからセカンドボールへの反応が早くなると、テンポのいい組み立てが始まった。攻撃の心臓部である主将のボランチ太田隼剛(3年)を経由し、右の佐藤凛音、左の内川遼(ともに3年)の両SBが高い位置取りをし、サイドからスピーディーなアタックを仕掛けた。 前半は無得点に終わったが、後半も市立船橋がボールを握る回数が多く、ようやく34分に同点ゴールが生まれる。太田が佐藤の縦パスを右サイドで預かると、中央に進入してフリーの2年生FW久保原心優に完ぺきな最終パスを届けた。久保原が右足で仕留めて同点とする。 準決勝までは正規の時間で決着しない場合、すぐPK戦に入る規定だ。後行の市立船橋は2人が止められて2-4で屈し、四日市中央工(三重)を破って5度目の高校日本一に輝いた第90回大会以来、8度目の決勝進出はならなかった。 青森山田には過去、第82回と83回大会のともに3回戦で顔を合わせ、2試合とも市立船橋が1-0で勝っていたが、今回初めて黒星をつけられた。 OBでもある就任5年目の波多秀吾監督は悔しさを胸にしまい込み、「セットプレーや守りの強度が高く、勝ち方やゲーム運びのうまさが(代々)受け継がれている。勝負強さをリスペクトしたい」と勝った青森山田を称賛。その上で千葉県予選を3年ぶりに勝ち抜いた教え子でもある後輩を大いに称えた。 「私たちに教えられたというより、彼ら自身で(いろいろなものを)身に付け、成長していったのは素晴らしい。誇らしく思います。太田はチームの中心であり、攻撃の組み立てもゲームをコントロールするのも彼の良さ。リーダーシップを取ってくれて感謝しかない」