80年前の「隠された地震」、昭和東南海地震の津波から祖父救った恩人…SNSで繋がった「不思議な縁」
奥田さんは「伯父は若くして戦死し、悲しい生涯だと思っていた。今でも感謝してくれている人がいることを知り、尊い意味があったのだと感じた」と話す。
東さんは「祖父の恩人について、もっと知りたい」と今秋、平和の大切さや戦艦大和について伝える「大和ミュージアム」(広島県呉市)を2度訪れた。長井さんの最期に思いをはせ、「悔しかっただろう」と胸が苦しくなった。
東京では町内会に入り、祭りにも参加する。「近所づきあいをしていれば、災害時に助け合える。長井さんのようにいざという時、困った人の助けになりたい」と話す。
◆昭和東南海地震=1944年12月7日午後1時36分に発生したマグニチュード7・9の地震。内閣府などによると、死者・行方不明者は1223人、全壊家屋は2万6130戸とされる。津波の被害は特に三重県沿岸に集中した。