米利下げ回数、「3回⇒1回」に減少も「それほどタカ派的ではない」と言えるワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
パウエル発言も中立でFOMCはバランスの良い結果だがデータ次第の神経質な相場展開は継続
最後に、パウエル議長の発言を確認します。前回の記者会見では「インフレ率が持続的に2%へ低下する道筋を確信するには、まだ時間がかかりそう」と述べていましたが、今回は、その確信を強めるために「もっと良いデータをみる必要がある」との見解を示しました。パウエル議長は、政策判断はデータ次第という基本姿勢を維持しており、発言内容はおおむね中立的だったと判断されます。 以上より、今回のFOMCは、インフレを慎重に見極めながら年内の利下げ開始を探るという、総じてバランスのとれた内容になったと考えられます。米国市場の反応は、FOMCの結果公表前に発表された、5月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったこともあり、比較的落ち着いたものとなりました。ただ、金利、為替、株価とも、今後発表される米国の物価や雇用に関する経済指標をにらみ、神経質な相場展開が続くと思われます。 (2024年6月13日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米利下げ回数、「3回⇒1回」に減少も「それほどタカ派的ではない」と言えるワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社