阪神・藤川監督 輝に“長寿の秘けつ”伝授 秋季キャンプ取り組みに納得も「貪欲であるべき」
高知県安芸市で行われている阪神の秋季キャンプ最終クール2日目の14日、藤川球児監督(44)が佐藤輝明内野手(25)に“長寿の秘けつ”を示した。日米通算22年間、現役でプレーした指揮官。今キャンプでの取り組みに関する方向性に理解を示しながら、貪欲さと向上心を持ち続けることが1年でも長く現役生活を続けられる要因だと口にした。 藤川監督がケージ裏から熱視線を送った。佐藤輝がランチ特打で最多4連発を含む16本のサク越えを披露。両者にとって、実り多い時間でもあった。 「2、3(点)キャンプ中でも打ち方とか本人が気にしているところを聞くこともできたし、彼が進んでいく方向は理解していますね」 甲子園での秋季練習、高知に移っての秋季キャンプを通じて期待の大砲の現段階での取り組みを見守る姿勢を示した。一方で、課題とされる守備面についても言及。「ノックを受けてもスローイングは安定しているし、このあたりはよくコーチがやってくれている」と目を細めた。 ただ、指揮官が強調したのは、この後の言葉だった。「(課題が)できたからもういいやというふうになっていると一瞬で終わりますよね。今良いから来年良くて、じゃなくて、ずっとこれを繰り返す。何歳まで現役をするのか分からないけど、それがプロ野球選手」と“長寿”の秘けつを示した。 日米通算22年間、現役を続けた指揮官は実感を込めた。そして、期待をかけるのも、背番号8が長くチームの中軸を張っていけるポテンシャルを秘めるからこそ。この「継続性」に加えて、長いキャリアを築くのに必要不可欠なもう一つの要素も挙げた。 「(1つの捕球で)少しの違和感でも、今のは(どうか)っていう。貪欲であるべきだと思う。そういう姿を他の選手も含めてチェックしてる」 佐藤輝も監督の言葉に呼応した。「(長く現役を続けるために)いろいろ考えてやっています」。最終クールを迎えたキャンプの手応えについても「バッティングも守備も走塁でも良くなった」と力強くうなずいた。 ノックで受ける1球、フリー打撃での1スイングがキャリアの長短につながる。どこを切り取っても、佐藤輝にとっては欠かすことのできない時間だ。(遠藤 礼)