名門・東九州龍谷高に強力ルーキーずらり、スーパー1年生アタッカーの相棒は〝肝っ玉セッター〟 監督がほれ込む心と技術
「駆け引きが好きなんです」
フルセットの末に勝利した4月6日の福岡大との交流試合でデビューした。久しぶりの実戦に加え、チーム練習に参加して日が浅く、コンディション面でも万全ではなかった。「トスで(相手のブロックを)振ろうとしても、ミドル(ブロッカー)が付いてきますし、遅れてでも(ブロックに)跳んでくるんです。やっぱり大学生はすごいなと感じました」。それでも随所で非凡なトスワークを披露した。昨年度の春高バレーにも出場するなど1年時から大舞台のコートに立っている楢﨑杏菜(2年)とプレータイムをシェアしながら、果敢にオフェンスを率いた。「1本だけ、いいプレーがありました。ポイントにはなりませんでしたが、右手…ワンハンドでトスを上げて、いいラリーができたんです」。照れるようにして、ほほ笑んだ。 好きなプレーは、相原監督も指摘した「ファーサイド」へのトス。「ブロッカーを惑わすために、飛ばしたりします。そういう駆け引きが好きなんです。コート上では一人だけですし、ラリー中に一番ボールを触れる。そこがセッターの面白いところです」 憧れのセッターはVリーグ女子1部(V1)の久光スプリングスの栄絵里香(33)だという。「(速攻の一つで2~3メートル前方へ上げる)Bクイックを一回見せておいて、ラリーでもう一回Bを使うところとか…そんな強気なトスにひかれます」。身ぶり手ぶりで説明した後、未来の姿を思い描いた。「頑張って努力して、Vリーグ(今秋から発足するSVリーグ)のチームに入ること。そして将来日本代表の正セッターになることです」。バレー人生の最高到達点へ向かって、15歳のトスが一直線に伸びていく。 (西口憲一)
西日本新聞社