日本もまだまだ捨てたもんじゃない…国民を「生活の困窮」から救うこれだけの支援・助成制度
ケガや病気、身内の介護など、さまざまな理由によって収入が減少・消失すると、よほどの蓄えがない限り生活苦に陥ってしまいます。もしそうなった場合、一刻も早く生活を立て直すためには、行政による支援・助成制度の活用が欠かせません。そこで、ルポライター増田明利氏の著書『お金がありません 17人のリアル貧困生活』(彩図社)より、具体的な制度を詳しくみていきましょう。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
行政にはさまざまな支援、助成制度がある
諸般の事情によって生活が困窮した場合、自分の力だけでは解決できないこともある。そんなときは国や地方自治体、その他の機関が実施している支援、助成制度を利用することをお勧めする。施しは受けないとか行政の世話になるのは嫌という人もいるが、利用できるものは利用して生活を立て直すことを第一にするべきだ。ここでは、具体的にどのような制度があるかをいくつか紹介していこう。 住宅確保給付金 失業、休業などの理由で住む場所を失う可能性がある場合に家賃を支給してもらえる。条件は、失業してから2年以内か失業したのと同程度に収入が減少していること、直近の世帯収入(月額)が一定額を超えないこと、世帯の貯金額が一定額を超えないこと、ハローワークへ通うなど求職活動をしていることなど。 東京23区の収入基準(月額)、資産基準、支給上限額は図表1のとおり。 傷病手当金 病気やケガで長期間休んだときに受けられる制度。健康保険組合、協会けんぽなどの健康保険に加入している人が対象。国民健康保険加入者は申請することができない。傷病手当は会社経由で健康保険組合に申請すると支払われるが、休んでいる期間が3日だと不可で支給の対象になるのは4日以上休んだ人。 受け取れるのは1日あたりの平均給与の3分の2相当額。平均標準報酬額9,000円の人が60日休んだとすると、9,000円×2/3×(60-3)=34万2,000円。ただし支給される期間は1年6ヵ月まで。 精神医療給付金 国民健康保険の加入者で、通院で精神医療を受けた場合、一部負担金(医療費の10%か負担上限額)がかかる。ただし、自立支援医療受給者証の交付を受けている者で、同一世帯の国保加入者全員が住民税非課税であれば申請により国保受給者証(精神通院)が交付され、一部負担金が免除される。 介護休業給付 介護によって雇用保険加入者が家族の介護のために休業する際に、一定期間の給与の一部が支給される仕組み。雇用保険の制度なので雇用保険に入っていない人は対象外。介護休業給付は賃金日額の67%×休業日数分を要介護となった家族1人ごとに1回通算93日まで支給してもらえる。 仮に賃金9,000円の人が介護で最大日数の93日介護休業を取得したとすると、(9,000円×67%)×93日間=56万790円。
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