因縁のパドレス戦で3回5失点KOの「山本由伸」…「日本のエース」に囁かれる不安説を専門家が一蹴 「来季こそ本領を発揮する一年になる」は本当か
開幕のソウルシリーズを思い出した方も多かっただろう──。メジャーリーグ(MLB)ドジャースの投手・山本由伸は3月21日、対パドレス戦に登板。1回4安打5失点と“火ダルマ”となり、自己最短イニングでの降板、自己ワーストタイの1イニング5失点と、全くいいところなしの投球内容に終わった。 【写真をみる】来季は“本領発揮”の可能性も!? 「山本由伸」の救世主となりうる人物は? ***
そして10月6日、ナ・リーグの地区シリーズ第1戦、因縁のパドレス戦に山本は登板した。結果は3回5失点と、同じように“火ダルマ”となってマウンドを降りた。打者16人に対し、被安打5、被本塁打1、与四球2と散々な結果だった。担当記者が言う。 「試合後の記者会見で山本投手は、『先頭を出して、四球で走者を溜め、本塁打を打たれた。そういった投球の基本的なことができていなかった』と反省の弁を述べました。一方、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は『走者二塁の際、山本のグラブに問題があり、球種を見破られた』と説明。『球種を見破らないようにするのは私たちの責任』と山本投手を擁護しました」 山本由伸と言えば、日本球界を代表するエースだった。だからこそドジャースは12年総額3億2500万ドル(約465億円)という大型契約を結んだのだ。 しかし今季は、その期待に応えたとは言いがたい。18試合に先発して7勝2敗。防御率は3・00。しかも6月には対ロイヤルズ戦で「右上腕三頭筋の張り」を訴えて緊急降板。9月まで治療に専念していた。 ケガの影響や、日米の打者には差があるとはいえ、昨季はオリックスで23試合に登板し、16勝6敗、防御率は1・21という素晴らしい成績だった。どうしても見劣りしてしまうのは事実だ。
“女房役”の負傷
さらに、同じMLB1年目でもカブスの今永昇太は大活躍だった。29試合に先発して15勝3敗、防御率は2・91。おまけにカブスとは4年契約で総額5300万ドル(約77億円)のため、今季の成績だけを見れば、非常に“コスパ”が良い。 MLB研究家の友成那智氏は「地区シリーズ初戦での山本投手は、まだケガの影響が残っている印象を受けました」と言う。 「オリックス時代から、山本投手は初回に点を取られることがありました。この日も1回に3点を取られましたが、好調だった4月や5月だったなら、その後は立ち直って0点に抑えていたはずです。ところが、大谷翔平選手に同点ホームランを打ってもらったのに、3回にも2失点を喫してしまいました。球威を筆頭に、好調だった時の山本投手と異なる投球内容だったのは明らかで、そのため私はケガの影響が残っているのではないかという印象を持ったのです」 友成氏によると、「山本投手が不調に陥る可能性」を予想する記事が以前、MLBの公式サイトに掲載されたことがあったという。 「8月19日のカージナルス戦で、ドジャースのオースティン・バーンズ捕手が左足親指を骨折しました。今季の正捕手はウィル・スミス選手なのですが、データを見るとスミス捕手よりバーンズ捕手がマスクを被った時のほうが山本投手は好投しています。率直に言って、バーンズ捕手は特別にリードが上手いという印象はないので、私はそれほどの影響があったとは思っていません。とはいえ、MLBの公式サイトに『バーンズ捕手の負傷者リスト入りは、山本投手にとって痛手になる』との記事が掲載されましたし、地区シリーズの開幕戦はスミス捕手がスタメンでした」(同・友成氏)