狙いはペットボトルのキャップ、磨いた制球で挑んだ 中間・前田投手
（30日、第106回全国高校野球選手権福岡大会2回戦、中間0―7東筑紫学園） 本塁上に置いたペットボトルのキャップを狙うつもりで――。中間の先発、前田仁之介投手（3年）はこの日、積み重ねた練習を思い浮かべながら、マウンドに立った。 【写真】中間―東筑紫学園 力投した中間の前田仁之介投手=2024年6月30日午前9時51分、筑豊緑地、太田悠斗撮影 制球力には自信がある、つもりだったが、今春の福岡県大会で力不足を思い知らされた。16強まで進んだが、5回戦で強豪の飯塚に打ち込まれ、コールド負け。「もっと速い球があれば」と思ったが、1年時に肩を痛めた影響もあり、球速アップは難しい。「コントロールをもっと磨く」と決め、始めたのがペットボトルを使った練習だった。実際に本塁上に置き、キャップに球が当たるまで何度も投げ続けた。次第に、直球は低めに、変化球も狙ったコースに決まるようになった。 手応えを感じて臨んだが、ブルペンと本番のマウンドは違った。緊張のせいか、球が高めに浮いた。7点を失い、四回2死で降板。それでも、一回、走者を背負った場面で、カーブが思い通りのコースに決まり、相手の四番打者を右飛に打ち取った。「1イニングでも長く、野球がしたい」。そのために自分で考え、重ねた努力は無駄じゃなかった。（太田悠斗）
朝日新聞社
