iPhone 6s発売で各社がアピールする“ネットワーク品質” その本質とは
Appleが9月9日(米国時間)に発表した最新スマートフォン「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」が、シルバーウイークが明けた9月25日に日本国内で発売されます。販売を行うNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社は、携帯電話のシェアが大きく動く年に1度の“一大イベント”に合わせて、新たな料金プランや割引キャンペーン、そしてネットワーク品質を大きくアピールしていますが、ユーザーはこの“ネットワーク品質”の良し悪しをどのように判断すればいいのでしょうか。“とにかく、速ければ良い”という単純なものではないようです。9月15日にNTTドコモが行った、通信ネットワークの説明会を元に解説します。
データ通信の高速化と設備増強を進めるNTTドコモ、その狙いは何か
まずは、取材した発表会のサマリーをまとめましょう。NTTドコモは、今年3月にLTE-Advanced(サービス名:PREMIUM 4G)を開始し、2種類の周波数の電波を束ねることでデータ通信を高速化する「キャリアアグリゲーション」と、混雑しているエリアでも効率的に通信アンテナを制御することができる「高度化C-RAN基地局」によって、受信時の最大通信速度225Mbpsの高速通信を提供しています。今回行われた発表会では、この受信時の最大通信速度について、9月25日から東名阪の226都市において262.5Mbpsにまで高速化し、また使用する電波周波数帯によって4パターンのキャリアアグリゲーションを展開すると発表。また、今年度末までにLTE-Advancedに対応した基地局数を900都市18000局まで増やすことや、3種類の電波を束ねて受信時の最大通信速度300Mbpsを実現する高度なキャリアアグリゲーションを11月に開始する予定であることも表明しました。
このようにまとめると、読者にとっては“とにかく高速な通信速度を追求していく”というアピールに聞こえてしまうのではないでしょうか。たしかに、KDDIもソフトバンクもネットワークの“速さ”を盛んにアピールしており、“速いこと=ネットワーク品質=キャリアの強さ”と受け止めてしまいがちです。