ライバル(10月27日)
冬場の鍛錬が足りず、力が伸びない―。そんな批評は聞かなくなった。東北の高校野球界は、甲子園で上位を争うチームがしのぎを削る。ライバルの切磋琢磨[せっさたくま]が全体の実力を押し上げている▼聖光学院は、群雄割拠の秋季大会で7年ぶりに頂点に立った。準々決勝で、2年前の夏の全国覇者・仙台育英に競り勝った。決勝は今夏甲子園4強の青森山田と対戦。選手層が厚く、優勝候補に挙げられていた強豪に一つもひるまず、終盤のワンチャンスをものにした▼海の向こうは、米大リーグのライバル対決に沸く。幕を開けたワールドシリーズで東西の雄、ヤンキースとドジャースが1981年以来、43年ぶりに対決している。個人の技と力の競い合いも注目を集めている。ドジャースの大谷翔平選手とヤンキースのアーロン・ジャッジ選手はこの3年、ア・リーグの最優秀選手賞(MVP)を分け合った好敵手。晴れ舞台で最も輝くのは一体どちらか▼折しも、きょう27日は衆院選の投開票日。各党、各候補者は声をからし、互いに負けじと主張をぶつけ合った。与と野のライバルが投じた決め球は、日本の未来を射抜けるか。われわれ審判員は、選球眼を磨いて一票を投じたい。<2024・10・27>