【紅麹問題】小林製薬 旧大阪工場6か所で青カビ検出 全検体から”プベルル酸のピーク”検出 大阪市『製造室全体にわたっていた』
29日午後に行われている大阪市の紅麹対策本部会議。問題となった小林製薬の紅麹製品の回収状況や、原因究明の進捗状況などが報告されている。 このうち、大阪市などが立ち入り検査を行った旧大阪工場から検出されたアオカビの一部が、プベルル酸を生成した和歌山工場のアオカビと同種であることが明らかにされた。
旧工場で24か所をふきとり検査
大阪市内にある旧大阪工場は、すでに操業を停止しているが、今回の健康被害の問題を受けて、大阪市が立ち入り調査をしていた。市によると、旧紅麹製造室内でカビと思われる汚れがある24か所を拭き取り、その後専門機関で各種の調査を行ったという。 その結果が29日明らかにされた。 大阪市によると、『試験室や培養タンク洗浄室、培養室、製造室前室、粉砕室の壁や天井』など、5室の6か所からアオカビが検出され、それに対して遺伝子検査を実施したところ、 その後の製造拠点となった和歌山工場の『種菌培養室、乾燥室、チューブ、フィルター』から検出されたアオカビと同種であることがわかったという。 和歌山工場のカビからは、健康被害との因果関係が指摘されているプベルル酸を生成したことが確認されていて、つまり、旧大阪工場も同じだとしている。 そこで詳しく調べたところ、全ての検体から、プベルル酸のものと同じピークが検出されたということだ。
「アオカビは製造室全体にわたっていた」
ちなみに市が調査に入った際に、旧工場でアオカビが検出された場所は、『紅麹の培養スペースから、乾燥後の紅麹原料製造スペースまで製造室全体にわたっていた』という。 ただし検査時すでに工場は操業停止していたため、市は、原型をとどめていないが、製造時はもっと管理されていたはずで、今は何も製造していないので、胞子が飛んで広がったと考えてもおかしくはないが、アオカビが存在していたということは推察される、としている。 そして現時点の結論として、「工場内のアオカビが、培養段階で混入し、コメ培地を栄養源にしてプベルル酸を産生した」などと推論している。 横山市長は、「原因究明に関しては、まだ時間がかかるところかと思うが、この間それでも、大きく原因究明が進んできているところかと思います。引き続き連携をお願いします。」と話した。