高学歴でも知られる女性雀士の浅見真紀

　２０１８年に発足し７シーズン目を迎えた麻雀プロリーグ戦・Ｍリーグが、熱い戦いを繰り広げている。参加中の女性雀士１２人に今シーズンにかける思いなどを聞く企画。今回は大学院修士課程を修了するなど、高学歴でも知られる浅見真紀が登場する。 【写真】高学歴でも知られる女性雀士の浅見真紀　知的さ漂う雰囲気の持ち主 　　◇　　◇ 　－昨季はＭリーグ初参戦だった。 　「１年目はチャレンジ的なところもありますし、自由に挑戦できるシーズンだと思って入りました。２年目はそういうわけにはいかないなと思っていて。１年間しっかり場慣れもして、経験も積んでいるし、それを今季は生かさないといけない。昨季ももちろん緊張もしていたし、プレッシャーも感じてはいましたが、なんか違う、もっとどすんとしたものを感じていて。今は少しこわごわと戦っている感じです」 　－個人的な目標は。 　「昨季の最終日を迎えて私個人の成績がマイナス３０ポイントぐらいだったんです。私が最終戦でトップを取るとチーム４人全員がプラスで終われるという状況で。なかなかないことなので、チャレンジしようということになりました。ドリブンズは基本的に連闘をしないのですが、私がその時だけした結果、４着に終わってしまったんです。それが結構引っかかっているというか、自責の念があって…。今年は何がなんでもプラスで終えたいと思っています」 　－同じプロ雀士の橘さんと結婚して助かっていることは。 　「映像対局などに自分が出た後に、帰宅してすぐ愚痴を言っても理解してもらえるところですかね。ただいまの後に“あの時これを切ったらこうなったんだけど、どういうこと？”みたいなことをすぐ共有できるのは、すごく気が楽になるというか、スッキリするので。家にいてくれるのはありがたいですね。全く分からない人と結婚していたら、自分が悶々としながら寝ることになりそうじゃないですか。スッキリして寝られるのはいいことかなと思います」 　－進学校から国立大学に進み、大学院の修士課程も修了。その学歴が麻雀を打つ上で生きている部分は。 　「麻雀って経験値も大事で、数を打つことが実力向上につながるとは思います。それでも例えば打った後にその牌符を見返して、相手の手配読みをするとか、パズル的な考え方だったりは勉強をしないと身につかないところではあったりもする。私もまだまだ、そこがすごく得意な選手ではないですけど、日々自分が対局した牌符や映像を見返して、どうしてこうなったのだろうっていうのを論理的に巻き戻して考えています。勉強することが苦になっちゃうと、麻雀って向上していかないのかなとは思いますね。勉強が好きな人は向いているのでは」 　－Ｍリーガーを目指す学生さんや若い方へアドバイスを。 　「運で片付けてほしくないなというのはあります。やっぱり運が絡むゲームなので、リーチ対決で放銃して負けた時にツイてないなみたいなことってもちろんあります。その中でも“いや、あの時こっちを切っていたら違う未来があったんじゃないか”とか、ひとつひとつ反省して検討してみる。本当にこれが合っていたのかどうかをもう一度考えてみるということをしてほしいなと思います。負けた時に負けた理由を探してみようというのは、強くなる上ではすごく大事なことだと思っているので、プロになりたいのであれば、そういうことをやっていくといいのではないかと思いますね」 　－ファンへのメッセージ、意気込みを。 　「チームは昨シーズン、準優勝といういい結果ではあったのですが、優勝までにはちょっとポイント的に遠くて、すごく悔しいセミファイナル、ファイナルでした。今季はもっと優勝へ距離が近い位置で戦えるようにしたいなと思っていますし、自分がそのためにポイントで貢献できる選手になることが目標です。チームとしても応援してもらえたらうれしいですし、新しいＭリーガーも入ってきたので、また刺激的なシーズンになると思っていますので、皆さんに楽しんでもらいたいですね」 　◆浅見真紀（あさみ・まき）　１９８５年８月３０日生まれ、埼玉県出身。赤坂ドリブンズ所属。千葉大学大学院工学研究科デザイン科卒。１０年に最高位戦日本プロ麻雀協会としてプロに。同年の第９回野口恭一郎賞では女性棋士部門を獲得するなど活躍。最高位戦の対局配信では実況を担うことも多い。２３年に赤坂ドリブンズに所属しＭリーガーとなる。子育てもこなす一児の母。 　◆Ｍリーグ　優勝賞金５０００万円を９チームで争う。１チーム男女混成の４人で構成。レギュラーシーズンの上位６チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位４チームがファイナルシリーズに進み、優勝を目指す。ＡＢＥＭＡで全試合無料生中継中。