南三陸へ…移り住んで高校生活! 全国から生徒募集…志願者は前年の2倍 町長が身元引受人【東日本大震災13年の“あれから”】
東日本大震災で大きな被害があった宮城県南三陸町。これまで地域に根差してきた高校が新たに「南三陸高校」として船出した。高校名のほかに、新たに始めた取り組みが「全国からの生徒募集」だ。震災後、移住者が増えるなど、多様な人材が集まる南三陸町で育む創造力。そして、多様な人材が交じり合うことで生まれる価値観を養うことを目指している。 1年前、初年度の年に入学した生徒は全国各地から集まった5人。震災後、復興事業を担う作業員が使っていた宿泊施設を改装した寮に住み込み、地域と交わりながら生活を送っている。新2年生となる4月以降、本格的に町の歴史や魅力を学び、震災伝承の活動にも携わっていくという。 2024年4月からの新年度、入学を志願する生徒は1期生の2倍となる10人。町は将来的に地域を盛り上げていく人材に、と期待している。
■初の全国募集 親元を離れて南三陸に
2023年春、志津川高校から校名が変わった南三陸高校。新入生55人の中には、初の全国募集で集まった生徒5人の姿もありました。彼らには、親元を離れて南三陸を選んだ理由がありました。 神奈川出身の小畑孝太朗さん 「親元からの自立だったり、高校進学の新しい選択肢としてやっていけたら」 山形出身の伊藤芽衣さん 「修学旅行で初めて南三陸町に来た時に、地域の方々の元気の良さと人柄の温かさにひかれて南三陸高校を志望しました」 南三陸高校・難波智昭校長 「風の匂い、海の冷たさ、バーチャルでは体験できないものを体感して知識・経験として持ち帰って欲しい」
■復興に携わる作業員の宿泊施設
生徒たちを受け入れるのが学校から約1キロ離れた学生寮「旭桜寮」です。 「子どもさんたちの食堂になります。雑談室というか」 この建物、元々は震災復興に携わる作業員向けの宿泊施設でした。それを移築したもので、1階には洗面所、洗濯室などもあります。2階には、生徒たちが生活する部屋が24室並んでいました。 居室内は、浴室とトイレに冷蔵庫。レンジやベッドのほか、窓もあってビジネスホテルのような雰囲気でした。インターネット環境も整備されていて、寮の費用は施設費・光熱費・食費込みで月額5万5000円だといいます。