大学入試の学力試験年内実施、関西の私大から首都圏に波及 少子化でルール形骸化懸念
10月に行われた大学入学者選抜協議会では、日本私立中学高校連合会の代表者が「高校の進路指導を大変混乱させている」とした上で、「生徒減少期に向かって他の大学も同じような対応をしなければならなくなる」と懸念を表明。全国高校長協会の代表者も「大学側が高いレベルの学力を求めるなら、高校側に教育する時間をしっかり与えてもらいたい」とルール順守の徹底を求めた。
受験生の立場としては、本来の学校推薦型で必須な面接や小論文を受けずに、早期に合否を確認できるメリットは大きい。大手予備校の担当者は「受験生にとっては滑り止めが確保できて安心材料だ」と分析。ただ、「『赤信号みんなで渡れば怖くない』といった感で今まではすんでいたが、首都圏の規模が大きな大学がやり始めると雪崩をうつように全体の日程が崩れかねない」と危惧した。(楠城泰介)