円は対ポンドで約16年ぶり安値、英利下げ観測後退で金利差意識
(ブルームバーグ): 28日の外国為替市場で円が対ポンドで約16年ぶり安値に下落した。英国で根強いインフレ圧力や7月の総選挙実施により早期利下げ観測が後退しており、英日の金利差に着目した円売り・ポンド買いが進んでいる。
円は対ポンドで一時前日比x%安の1ポンド=200円56銭まで下落。4月に付けた年初来安値を下回り、2008年8月以来の安値を更新した。
英国では4月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス・グループが6月利下げの見通しを撤回した。さらにスナク首相が7月4日の総選挙実施を表明したことで、金利スワップ市場で6月利下げの予想確率がほぼ消滅。利下げの完全な織り込みは11月以降となり、現在5.25%の政策金利は12月で4.86%程度の予想となっている。
一方の日本では9月に15bpの利上げが9割超織り込まれているものの、12月の政策金利の予想は0.36%程度。金融市場のボラティリティーが落ち着く中、金利の高い通貨に対して低金利の円を売るキャリー取引が続きやすい環境となっている。
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Daisuke Sakai