部員3人の苫小牧西に強力助っ人「歌うま甲子園」優勝者や元アイホ部員と1勝目指す/南北海道
夏11年ぶりの校歌を-。第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の南北海道・室蘭、函館地区、北北海道・空知、釧根地区の組み合わせが13日、決まった。 2017年以来7年ぶりに単独チームで出場する苫小牧西は、春まで連合チームで同僚だった、えりも・富川連合と初戦を戦う。部員3人と、ユニークな臨時部員8人、2人のマネジャーが結束。夏の大会では13年以来の白星を目指す。 ◇ ◇ ◇ まさかの抽選結果になった。初戦の相手は、春までチームメートだった、えりもと富川の連合チーム。主将の山城健信捕手(3年)は「合同を組んでいたからといって手加減することなく、最後まで全力プレーで行きます」と力強く誓った。 正式部員は3年生の登山晟(じょう)投手と山城、1年生の三木煌翼(こうすけ)内野手。他のポジションは助っ人8人が埋める。左翼は生徒会長の安達翼外野手(3年)。「みんなが楽しめる学校」をテーマに放課後1時間は生徒会室で作業し、練習に合流する。 遊撃と投手をこなす鈴木大将(ひろまさ、2年)は、歌手との三刀流だ。昨年10月に全国放送された「THEカラオケ★バトル・U-18歌うま甲子園チーム対抗戦」(テレビ東京系)で優勝。中学時代は苫小牧シニアでプレーしており、2週間前の苫小牧中央との練習試合には先発し、7回2失点で試合を作った。「歌も大事ですが、頼まれたら断りません」と助っ人を楽しむ。 元アイスホッケー部の佐藤龍童(りゅうどう)外野手(3年)は「目標は甲子園」と不敵に言い放つ。初任地の奥尻を含め、教員生活12年で初の単独チームを率いる加茂久貴監督(33)は「楽しく、すがすがしく」とにこやかに話す。 入学から連合チームの世話役を続けた宮野花菜マネジャー(3年)は「最後の最後に単独チームで卒業できるのがうれしい」と声を弾ませる。夏の大会で校歌が球場に流れたのは11年前が最後だ。「僕は生徒会長ですから、校歌をおぼえていない選手には試合までに教えます。歌い方は(鈴木)ひろまさの担当」と安達。苫小牧西は、やや強めの個性を結集し、7年ぶりの夏を戦う。【中島洋尚】