【東京】北朝鮮が27日夜に軍事偵察衛星を打ち上げた件を巡り、木原稔防衛相は28日午前の閣議後会見で分析結果として「衛星打ち上げを試み、失敗したものだった」と話した。沖縄本島や先島地域に展開している航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット（PAC3）について、「国民の安心安全のために必要な態勢を取り続けるということは、防衛省として判断しなければならない」と語り、部隊展開を継続することを示唆した。 【写真】街に響くサイレン、モノレールも停止

　PAC3の撤収時期のめどを問われ、「米国・韓国と情報を共有しながら、防衛省、自衛隊として態勢を適切に判断する」と述べるにとどめた。 　北朝鮮の打ち上げを失敗と判断した理由として、衛星打ち上げを目的としたことを踏まえ「数分後に黄海上空で消失し、宇宙空間への物体の導入はされてないことから失敗との認識に至った」と語った。 　全国瞬時警報システム（Jアラート）で発射を速報して避難を呼びかけ、数分後に解除したことは適切だったか問われ「防衛省、自衛隊として得られた情報を速やかに関係省庁に伝え、内閣官房はJアラートの発出を決めた。詳細については内閣官房に問い合わせてほしい」と述べた。 　防衛省は2023年4月から宮古島、石垣島、与那国島、那覇市にPAC3を展開。同5月から破壊措置命令を継続している。北朝鮮はその間4度、発射したが、県内に落下物などの影響はない。