LME亜鉛相場、半年ぶり安値圏。中国需要懸念と在庫急増で
非鉄金属価格の国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の亜鉛相場は2月以降下落が続き、約半年ぶりの安値圏まで落ち込んでいる。主要通貨に対するドル高地合いが重しとしてある中、中国需要に対する不動産セクターなどへの懸念やLME在庫急増によって需給緩和が意識されたことが下押し圧力となった。 12日の3カ月先物価格は2200~2300ドル台で推移。月初は2400~2500ドル台であり、1週間で約200ドル水準を下げた。ただ同日終値は前日から小幅ではあるものの反発。割安感によって買いが入るなどして下げ止まるかに関心が集まる。 需給指標となるLME亜鉛在庫は足元23万8千トンで月初から約4万トン増加。先週は2日連続で1万トン超増加するなど短期間での大幅な積み増しが市場心理に影響した。 銅相場もドル高地合いや中国需要懸念の影響を受けて約3カ月ぶりの安値圏まで下落している。3カ月先物価格は9~12日と連日8100ドル台前半を付けた。 国際相場が水準を下げるに連れて国内相対取引の指標となる電気銅・亜鉛建値も下落。13日時点の電気亜鉛建値は月初比3万円安の40万3千円、電気銅建値が4万円安の126万円。下落はしたものの、円安ドル高の為替が建値を高値圏にとどめている。