売上はガーナのスラムのために…ゴミを作品に変えるアーティスト長坂真護さん「100億円で1万人の雇用を」
長坂さん: 「僕らが豊かになればなるほど、ゴミが増えるわけじゃないですか。そのアンバランスさですね。今できる一歩を大事にしようというので、お金も無かったので、スラムを掃除して絵にする方法を思いついて、この問題を世界に発表していくというアクションに出ました」 2018年、ガーナをテーマにした個展を開催し、ゴミの中で微笑むガーナの少年の絵が1500万円で売れました。
その後、世界中で作品が評価され、これまでの最高額は1枚2億円です。
2年前に製作した、ガスマスクをした人物の周りをアイロンや家電のゴミが取り囲む作品、価格は5000万円です。
捨てられたバイクを使ったオブジェ、少年の髪の毛はビデオテープ。価格は2000万円です。
長坂さん: 「今の絵の売上は、自分の能力の20倍って計算していて。100万円のものが売れても、実際に自分の能力は5万円と見積もりを立てて」
自分の報酬は売上の5%とし、残りの95%でスラム街に学校を建て、農園を作り、プラスチックのリサイクル工場を運営しています。
長坂さん: 「ガーナのスラム街のみんな幸せにしてあげたいというのも横柄だけど(幸せの)大多数をおすそ分けしたいなと思っていて。だってガーナというピースが無ければ僕は無名な路上の絵描きで、今もその辺をほっつき歩いて大したことない絵を描いて」
■目標は”100億円で1万人の雇用“を
ガーナの人たちを救うため、たくさん作ってたくさん売る必要がありますが、現在の売上は年間8億円です。
長坂さんは4月18日から名古屋市中村区の名鉄百貨店で個展を開き、240点を展示販売します。 捨てられた服をテーマにした作品「真実の海」は今回最も高い作品で、販売価格は1億円です。
長坂さん: 「先進国が寄付した服が、スラム街の下の海にものすごい数(ある)。彼らでも要らない服、セーターとか穴の開いた服、そういうのは全部海に捨てられます。ここに住んでいる実際の女の子を描いて、この子自体はすごく真っすぐで美しい目をしていて。額もヨットの廃材で作っています。芸術作品を楽しんでもらって、その奥にあるバックグラウンドで、その事実を感じ取ってほしいなと思います。スラムを通して、地球全体のシステムを変えていく、アップデートしていく」 4月10日、一足早く招待客向けにオープン。