「大切に守っていきたい」 松山市の仙波家住宅が国の有形文化財登録へ
国の文化審議会は愛媛県松山市内にあり、明治時代に建てられた仙波家住宅(せんばけ)の主屋などを国の有形文化財に登録するよう、文部科学大臣に答申しました。 当時の家主のこだわりが随所に感じられる住宅を取材しました。 【写真を見る】「大切に守っていきたい」 松山市の仙波家住宅が国の有形文化財登録へ 秋の日本庭園の奥にはどっしりとした佇まいの主屋。 時代を超えて大切に守られ続けてきたことを感じます。 明治33年、1900年に建てられた松山市北久米町の農家、仙波家住宅。 主屋に入ると、力強く走る立派な梁や…大黒柱の姿が…中でも特に評価されたのは、縁側から庭を臨め客のおもてなしにも使われた座敷だそうです。 松山市教委 文化財課 岸見泰宏さん 「この部分が付書院(つけしょいん)という部分になる。このアーチ状に作られた窓は櫛形火灯窓(くしがたかとうまど)といって非常に丁寧な作りで上質。それからこの上にある欄間。組子(くみこ)の細工が非常に丁寧で繊細に作られているところで評価が高かった」 120年以上前の当時の家主が、強いこだわりを持って作ったことが伺える空間です。 松山市教委 文化財課 岸見泰宏さん 「農家の中でも裕福な方で家の普請(建築)に非常に力を入れられたということがよく分かる。これだけの材を揃えるのは大変だったと思うが設えにもこだわっている貴重なお宅。建てられてからずっときれいなまま管理されてきたというのも非常に大事」 またこちらは、露地門(ろじもん)と塀(へい)です。 「プライベート空間の庭」と「庭の外」を隔てていて、主屋と同じ時期の建築と考えられています。 躍動感のある鯱瓦(しゃちがわら)に…波をあしらった箱棟道板瓦(はこむねどういたがわら)など…とても重厚な造りです。 この住宅が建てられ4代目の当主となる仙波雅敏さんは… 仙波雅敏さん 「4代前の先代の先見の明とそれを引き継いだ人の保存の苦労に感謝したい。大切に守っていきたい。(文化財登録をきっかけに)こういう素晴らしい文化財があるということを分かってもらい、理解が深まって皆さんが『文化財を大事にしなきゃ』という気持ちが高まってもらえたらありがたい」
仙波家住宅の主屋と露地門及び塀は、必要な手続きを経て国の有形文化財へ登録される見込みです。 県教委によりますと、県内にある国登録有形文化財の建造物は、これで192件となります。
あいテレビ