【就活】「内々定」は大学3年2月時点で4割 それでも「長期化」する就活、その理由は?
現在の就活市場は人手不足を背景に、学生優位の売り手市場が続いており、以前の就活とは随分、様相が異なっています。インターンシップなどで早期化し、内定をもらっても就活を終われない長期化も増えています。親の時代とは大きく変化している「現在の就活」について、就活情報サイト「あさがくナビ」の福井洋平編集長が基本から解説します。 【写真】「学歴フィルター」は都市伝説? 就活生が語る「体験談」
まずは、現在の就職活動の流れを押さえておきましょう。企業の採用活動については、政府が下記のようなスケジュールを要請しています(2026年卒対象)。 ●広報活動スタート(企業へのエントリー、会社説明会など):大学3年、修士1年の3月1日以降 ●採用選考活動スタート(内々定):大学4年、修士2年の6月1日以降 ●正式な内定日(内定):大学4年、修士2年の10月1日以降 3月1日が一般的に「就活解禁日」で、この日から会社説明会が始まったり、エントリーができるようになったりします。就職活動ナビサイトも、3月1日に一斉にオープンします。 6月1日から面接などの採用選考活動が始まり、企業が学生に「内々定」を出していきます。正式な内定日は10月1日以降ですが、一般的には「内々定」のことを内定と呼ぶことが多いです。 しかし、この流れはあくまでルール上のことで、実際には下記2点の理由から、学生が就活を始める時期はもっと早くなっています。 ①ルールにしばられない企業がある ベンチャー企業や外資系企業、経団連に加盟していない日本企業など、このスケジュールにしばられず、早期に選考、内定(内々定)出しをする企業がある ②インターンシップが採用に直結するようになった 2025年卒対象の就職活動から、「5日間以上」など一定の条件を満たすインターンシップ(就業体験)については、インターンシップのために取得した学生情報を採用活動に使用できるようになり、採用に直結するようになった 採用直結型のインターンシップが認められるようになったことで、優秀な学生と早く接点を持ちたい企業がインターンシップやオープン・カンパニーの実施にこれまで以上に積極的になり、選考の早期化が加速しています。 「オープン・カンパニー」という言葉に、なじみがないかもしれません。これは学生に対して自社や業界の情報を提供するプログラムのことです。25年卒以降の就職活動から、「インターンシップ」の定義が改正されました。内容は大きく写真の4種類です。 5日以上のインターンシップは大学が休みになる7~9月に集中することから、その選考に向けた準備が始まる大学3年(修士1年)の4~6月が事実上、就職活動のスタート時期になっています。そして、早い会社だと大学3年(修士1年)の11月ごろから内々定が出始めます。 「あさがくナビ」が25年卒を対象にした調査では、大学3年の2月末段階で内々定をもらった学生は全体の38.1%で、前年同時期から7.3ポイント上がっています。「早期化」が加速している傾向が読み取れます。