中2レベルなら海外暮らしもできる...大人が「英語力を底上げする」方法
人生100年時代といわれる昨今、学生時代に一度挫折した英語に再びチャレンジする"大人の学び直し"が増えているようです。 【図】調査で判明した「本当に効果的な勉強法」 『7日間で英語がペラペラになる カタカナ英会話』(Gakken)が話題の甲斐ナオミ先生と、シリーズ続編の『やっぱり英会話は筋トレ。20の動詞をモノにする反復法』(かんき出版)が好評な船橋由紀子先生、話題のベストセラー作家のお二人に「大人の学び直し」に効果的な方法について聞いてみました。前・中・後編の3回に分け、今回は中編をお届けします。(構成/山岸美夕紀 撮影/斉藤秀明)
大人が英語を上達させるためのポイント
――私自身、英語の学び直しをしているのですが、なかなか上達しないんです。大人が上達するためのポイントはありますか? 【甲斐】まずひとつは、「目標をはっきりさせること」でしょうか。私の生徒さんでも、「雑談が上手になりたい」「たわいのない日常会話ができるようになりたい」といったリクエストをされる方が多いのですが、それではちょっと弱いんですよね。 もっと「海外に行ってゴルフをしたい」や「大好きなハリウッドスターのインタビューを英語で聞き取れるようになりたい」など、明確な目標がほしいところです。 【船橋】かなりピンポイントですね。 【甲斐】はい、すごくピンポイントな目標があるといいんです。あまりにも漠然としていたり、目標が高すぎたりするのでは、途中で挫折しやすいかもしれません。 たとえば、大人の学び直しで多いニーズのひとつに「海外のテレビドラマを字幕なしで聞き取れるようになりたい」というものがありますよね。ですが、いきなり「フレンズ」などを見始めるのではちょっとハードルが高すぎるかもしれません。 私は、8割は理解できて、2割わからないことがある、という「8:2」のバランスがもっとも英語力が伸びる比率だと思っているんです。ドラマや映画でいえば、幼い子どもが主役のものであれば会話の内容はだいたい日本の中学英語レベルなので、8割くらいは理解できるのではないかと思います。 【船橋】「8:2」が最適なんですね。たとえば、「アイ・アム・サム(I am Sam)」という映画がありますが、7歳で知能が止まってしまったサムというパパさんが主人公の物語なので、たしかに、このサムの英語がとてもよく聞き取れます。 ハリーポッターシリーズなども、イギリス英語ですが、初期の作品であれば登場人物の年齢がまだ低く会話も聞き取りやすいので、そういった映画を選ぶといいかもしれませんね。 【甲斐】私がキッズのレッスンでよく使う動画に、YouTubeで公開されている「CAILLOU(カイユ)」というものがあります。カイユとはフランス語なんですが、私の出身地・モントリオールでつくられたアニメなんですね。 カイユも最初は3歳くらいで、少しずつ成長していくにつれて英語も上達していく。さらに、もっと幼いカイユの妹はカタコトのような英語でかなり聞き取りやすく、大人の学び直しとして利用するのもおすすめです。 【船橋】それはとても良さそうですね! 私もチェックします。