全焼した愛知の酒蔵が奇跡の復活!“酒造りの絆”が支えた、どん底から再建までの道のり...杜氏を目指す26歳女性が“ラベル”に込めた決意「夜明けを目指していく」
搾り出された酒を口に含み、丁寧に味を確かめる実和さん。その後、安堵の表情を浮かべ、涙を滲ませました。
「どうなるかなって思ってたんですけど、なんとかちゃんとしたお酒ができたなって」と、手で涙を拭いながら、嬉しさを語る実和さん。喜びも、ひとしおです。
出来上がった酒は、実和さんの名前の漢字1文字をとって名付けられたという「千実 紅掛空 (ちさね べにかけそら)」。米の甘味と柔らかい旨味が特徴の酒で、ラベルにもこだわりが詰まっています。
「夜明けの空の色「紅掛空」という、和の色に名前になるんですけど。これから暗い空の色に赤みがさす色で、まだまだ課題はいっぱいあるんですけど、まず夜明けを目指していくための1本」と、ラベルに込めた想いを語る実和さん。 「千実 紅掛空」を見つめながら、「本当に…感謝の1本なんでしょうね」とつぶやきました。
“酒造りの世界で、千にも及ぶ実りのある出会いと経験を” 酒の名前の由来の通り、完成させた1本。 2024年11月21日、ついに出荷の時を迎えました。『水谷酒造』の水谷さんは、「やっとやっと、出荷できました」と笑顔を滲ませ、実和さんは「楽しんでいただけると、本当にうれしいですね」と、これから「千実 紅掛空」を手をとる人々へ想いを馳せました。
出荷に向かう車の後ろ姿にお辞儀をする二人。実和さんと『水谷酒造』、再建への第一歩を踏み出しました。