W2、「AI活用PoCサービス」提供 売上向上から運営効率化まで対応
EC事業の「成功」にこだわるECプラットフォームを展開するW2は10月24日、EC事業者向けに、生成AIを活用したサービスプランを提供する「AI活用PoCサービス」の提供を開始した。売上向上施策から運営効率化まで幅広く対応する。 <図表>AI活用PoCサービスのロードマップや業務リストなど W2はこのほど、EC事業者向けに、顧客・購買情報などのデータと生成AIを活用した売上の拡大、業務工数の削減、生産性の向上、そして新たなイノベーション創出を目的として、「AI活用PoCサービス」の提供を開始した。EC事業者の本質的な課題の解決、事業のスケール化実現を支援する。 W2では、EC事業者が生成AIを活用するまでのロードマップを策定し、企画段階から要件定義、運用フェーズまでの一連の流れを明確化している。「AI活用PoCサービス」導入検討時では、ECプラットフォーム、および製品開発・業務支援に生成AIを具体的に活用したサービスを提供する。 ChatGPT、Claude、Geminiを活用し、EC業務にどのように役立つのか、PoCフェーズでは具体的なユースケース(顧客対応の自動化・レポート作成の効率化など)において技術的に実現可能かを検討する。また、システム設計、導入コスト、運用コスト、メンテナンスコストなど、あらゆる視点からROIを検証し、費用対効果の最適化を算出する。 PoCフェーズの成果物として、業務分野22リスト中から最適化されたプロンプトを提案した後、これらの結果を基にプロンプトの整備とAI組み込み機能、実装方法を詳細に定義してユーザーインターフェースを含むシステムの設計・開発を行うとしている。 運用フェーズにおいては、EC事業者側での生成AI活用の内製化を支援するため、技術的なアドバイスやシステムプロンプトを組み込む支援を行う。これによりユーザーからの入力に対して、より適切で具体的な回答や処理を行うことが可能になる。また、SaaSシステムでは、生成AIを活用した新機能の追加や、内製化を促進する支援サービスを随時提供することで、低コストでの利用を可能にするとともに、EC事業者の業務工数の削減、生産性の向上をサポートする。 生成AIは、事業の生産性向上を図っていくうえで欠かせない存在だが、その効果を最大限発揮するには、生成AIに関する知識や適切な活用方法、業務に適した生成AIサービスの選定が必要となる。 2024年9月に創業20期を迎えたW2は、ECに関わる業務に関する豊富な知見に加え、社内における生成AI活用によりECと生成AIをかけ合わせたノウハウを蓄積しており、「AI活用PoCサービス」をを通じてEC事業者の本質的な課題を解決、事業のスケール化実現を支援する。 今回の取り組みについて、W2 執行役員 丸山陽氏は、「生成AIとしてChatGPTを始め、トレンドやバズワードとして世の中に認知されるようになり、1年を超える期間が過ぎました。EC業界において生成AIを活用したツールやサービスが誕生し、EC事業者はその可能性に触れ、活用を模索する声を多く聞いています。しかし、EC事業者と会話する中で、生成AIを活用することで売上の向上や業務の改善がされたという話は届いてきません。これは、私たちのようなプラットフォームを提供するベンダーが価値を提供できていないと同時に、事業者側で生成AIの具体的な活用イメージが持たれていないためです。EC事業において多様な施策を行い、ユーザーへの価値を創出してきた事業者にとって生成AIによるアウトプットは期待にそぐわないと考えています」と話す。 丸山氏はさらに、「生成AIを有益に活用するためには、機械学習を適切に行い、期待に応える生成結果を得るためのシステムプロンプトの開発が必須になります。プロンプトエンジニアリングのノウハウとEC事業者が期待するアウトプットを潜在的に理解・解決するのがW2が提供する『AI活用PoCサービス』です。EC事業者は生成AIを真に事業をドライブさせるエンジンとして活用することができます。AI×ECの力により、W2のシステムを導入いただいたお客様の売上と利益に貢献し、事業を拡大させるためのパートナーとしてWin-Winを創出していきます」と述べた。
「日本ネット経済新聞」 編集部 速報チーム