【若松ボート(ナイター)GⅠ周年記念】瓜生正義 特別インタビュー 勝利の極意は「やるべきことを一つずつ」/27日開幕
「植木通彦さん、上瀧和則さんがいなくなって・・・」
――その極意はいつ、身に付けたのですか。 「若い頃は違ったでしょうね。正直、何にも考えていなかった。30代になってからかな。もっとしっかりしなきゃいけないと思うようになりました」 ――その頃に何があったのですか? 「植木通彦さん(同じ福岡支部の横綱選手で2007年に引退)が辞めて、(2011年に)上瀧和則さん(佐賀支部のエース。今年引退)は選手会の副会長に就いて実戦を離れるようになった(当時の選手会役員は専従)。身近な先輩たちがそうなって、後輩たちもどんどん出てきて、自分がちゃんと考えて行動しなきゃいけない立場になってきた。自分で変わろうとしたというより、周りの環境でそうなりました」 ――SG初制覇は植木さんの引退直前でしたが、09年、10年にもSG優勝。上瀧さんが副会長に就いた11年はSG年間2V。 「僕にはその考え方が合っていたのかなと思います」
選手会代表として「次の世代につなぐ」
――トップレーサーという立場に加えて、22年6月からは選手会トップである「選手会代表」という肩書が加わりました。 「まだ手探り状態の部分もありますが、この業界がうまく運営されていくためには、選手会も含めた各団体が一丸となることが大事というのは分かります。その方向に向かって取り組んで、次の世代にもつなげていけたらと思っています」 ――手応えは感じていますか? 「ボートレースで1着を取るのとは違って、『この調整や展開がハマったな』といった話ではないのが団体としての取り組みです。うまくいくことが大前提で、その一方で今が正解でも未来は違うかもしれない。時代は変わりますから、日々の動きを見極めながら進めていく必要がある。ただ、業界の売り上げが伸びていることは、いい方向に向かっていることが目で分かる、一つの形でしょうね。選手の頑張りをはじめ、各方面の協力があってのこと。ありがたいです」 ――その代わり、ご自身は相当に忙しそうです。 「レースと家族と選手会。それ以外の時間はないですね。ずっと考えてばかりなので、ちょっと休憩させて、という感じですけど、僕には大した趣味がないのでよかった。以前はゲームをしていましたけど、今はそこで余計に頭を消費したくないです」